- 2024年12月20日
- 2024年12月25日
肝炎・肝硬変に新たな治療の選択肢を
幹細胞を使った肝臓再生医療を開始しました
この度、「さいとう内科クリニック」では、肝炎・肝硬変の患者さんに向けた新たな治療の選択肢として、幹細胞を活用した肝臓再生医療を開始いたしました。
現在の標準治療だけでは、進行した肝臓機能の回復や、すでに硬くなった肝臓(肝硬変)を柔らかくすることは非常に困難とされています。肝炎から肝硬変へ進行してしまうと合併症リスクも増え、患者さんの生活の質(QOL)の低下や余命への不安につながるのが現状です。こうした課題を踏まえ、当院は新しい選択肢として肝臓再生医療を取り入れるに至りました。

肝臓病専門医としての立場から、肝炎・肝硬変の患者さんに真正面から向き合い、原因究明や機能改善に努めてきました。しかし、今ある標準治療では、一定の水準を下回った肝臓機能が正常域まで回復することは難しく、肝硬変へ進行してしまった場合は、より一層治療の選択肢が限られます。余命を意識せざるを得ない状況に陥る患者さんも多く、現状の治療ではすべてをカバーできないもどかしさを痛感してきました。
こうした思いを背景に、標準治療を充実させながらも、その先にある新たな治療の可能性を提供したいという強い願いから、自費診療となりますが肝臓再生医療の導入を決断しました。
肝臓再生医療とは
幹細胞を活用した治療の可能性
肝臓再生医療では、患者さんご自身の皮下脂肪から幹細胞を採取・培養し、それを点滴などで再び体内へ戻すことで肝臓の機能回復を促します。自分の細胞を使うため拒絶反応が極めて少なく、安全性が高いといわれているのが大きな特長です。
なぜ肝臓に幹細胞が有効なのか
幹細胞には、さまざまな細胞へ分化する能力や、体の修復メカニズムを活性化させる働きがあるとされています。これにより、肝炎や肝硬変の患者さんの肝機能改善が期待でき、進行を抑えたり、症状を軽減したりする可能性があります。
肝機能の限界

標準治療ではウイルス除去や肝臓への負担軽減などは可能ですが、すでに進行してしまった肝機能を大幅に改善するのは難しいといわれています。
肝硬変の壁

硬くなった肝臓を柔らかくする標準治療は現状なく、合併症や予後への不安が大きな課題となっていました。
再生医療への期待

幹細胞の力で肝臓の再生を図ることができれば、進行抑制だけでなく、実際の肝機能改善が期待できます。患者さんに新たな選択肢を提供するため、当院は先駆的にこの治療を導入いたしました。
また、2024年8月22日に、非代償性肝硬変(Child Pugh 13点)の患者様に、初めて幹細胞点滴を実施しました。6月の臀部の脂肪組織採取時も皮下出血軽微であり、8月の幹細胞点滴中および、その後、9月に入ってからも有害事象はみられませんでした。幹細胞点滴前までは、全く外出できないほどの体力でしたが、少しずつではありますが、外出出来るようになってきました。引き続きしっかりとフォローしていきます。
安全性への配慮
幹細胞は患者さん自身の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが非常に低いとされています。ただし、世界的にもまだ実施医療機関が少ない治療法のため、日々の臨床データの蓄積と検証が重要です。当院では、肝臓病専門医としての知見を活かしながら、より安全で有効性の高い治療をめざして取り組んでまいります。
当院がめざすこれから

肝臓再生医療は、まだ多くの未知数を含む治療法です。しかしながら、肝炎・肝硬変の患者さんが抱える大きな課題「進行してしまった肝機能はもとに戻らないという諦め」を払拭できる可能性がある方法でもあります。
当院では、標準治療を大切にしながら、患者さん一人ひとりに合った再生医療を提供し、少しでも長く、より快適に過ごせる未来を実現するために全力でサポートいたします。
さいとう内科クリニックは、肝臓病専門医として培ってきた知識と経験を活かしながら、幹細胞を用いた肝臓再生医療を新たな選択肢としてご提案いたします。
肝炎・肝硬変による症状や合併症にお悩みの方、従来の治療法で十分な効果が得られなかった方はぜひ一度当院へご相談ください。
肝臓再生医療に関するご相談・お問い合わせはこちら
さいとう内科クリニック
院長 斉藤雅也 Saito Masaya
日本肝臓学会 肝臓専門医
Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
〒651-2412 兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
TEL.078-967-0019
MOBILE.080-7097-5109
今後も、肝炎・肝硬変の治療および肝臓再生医療に関する最新情報をブログで発信してまいります。