• 2025年1月10日
  • 2025年4月2日

初めての肝臓再生医療

非代償性肝硬変(Child Pugh 13点)の患者様が幹細胞点滴を受けられました

皆さま、こんにちは。さいとう内科クリニックの院長の斉藤雅也です。
この度、当院では肝臓再生医療として「幹細胞点滴」を、はじめて非代償性肝硬変(Child Pugh 13点)の患者様に施行いたしました。今回は、治療を受けられた患者様とその奥様、そして院長による動画もあわせてお届けいたします。

治療の経緯

6月:患者様の臀部より脂肪組織を採取

皮下出血は軽微で、大きなトラブルなく完了しました。

8月22日:採取した脂肪組織から培養した幹細胞を点滴にて投与

施術当日も、その後9月に入ってからも、有害事象(深刻な副作用やトラブル)は一切みられませんでした。非代償性肝硬変でChild Pughスコアが13点というのは、かなり重症度の高い状態です。患者様は治療前、体力が著しく低下し、ほとんど外出できないほどの状況でした。しかし、幹細胞点滴後は少しずつ外出が可能になるなど、体力面での改善が見られております。今後も患者様のご様子をしっかりとフォローアップしながら、安全性と有効性についてデータを蓄積していきたいと思っております。

幹細胞点滴の安全性とフォローアップ

当院の肝臓再生医療では、患者様ご自身の皮下脂肪組織から培養した幹細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが非常に低いとされています。今回施行した患者様におかれましても、施術前後を含めて重篤な有害事象は確認されておりません。ただし、幹細胞点滴による肝機能の改善度合いや、長期的な効果の持続性などは、今まさに国内外で研究・臨床データが集積されている段階です。当院では、定期的な検査やカウンセリングを実施することで、患者様の状況をこまめに把握し、適切な医療を提供していきたいと考えております。

患者様の体力改善について

幹細胞点滴を受けた患者様からは、「少しずつ外出する気力が出てきた」というお声をいただきました。非代償性肝硬変の患者様は、疲労感や浮腫、腹水などの影響で日常生活が大きく制限されがちです。治療の成果は個人差があるため、全ての方が同様に早期改善するわけではありませんが、今回の症例でみられた前向きな変化は、幹細胞点滴の可能性を示す一端といえるでしょう。

今後の展望

院長が常々申し上げているように、「標準治療と再生医療の両軸を整備してこそ、患者様により幅広い治療選択肢を提供できる」という考えのもと、当院は今後も肝臓再生医療の導入を積極的に進めてまいります。引き続き、肝炎・肝硬変の患者様のQOL向上を目指して、多角的なアプローチを行い、患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供していきます。

はじめての幹細胞点滴施行となりましたが、患者様、ご家族様のご協力により、無事に実施できましたことに深く感謝いたします。これからも一人でも多くの患者様にとって、有効な治療オプションを広げるため、スタッフ一同、最善を尽くしてまいります。

非代償性肝硬変を含め、肝炎や肝硬変治療についてご相談やご質問がございましたら、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。患者様にとってベストな治療をご提案できるよう、精一杯サポートさせていただきます。

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今後も、肝炎・肝硬変の治療および肝臓再生医療に関する最新情報をブログで発信してまいります。

さいとう内科クリニック院長 斉藤雅也 Saito Masaya
日本肝臓学会 肝臓専門医
Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
〒651-2412 兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
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