• 2026年1月9日

【肝臓病専門医からの警告】炭水化物より太る!脂肪肝(MASLD)を招く「最凶の糖質」とは?

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「お米やパンは控えているのに、なぜか痩せない」

「健康診断で脂肪肝と言われてしまった」

もしあなたがそう悩んでいるなら、原因は炭水化物そのものではなく、知らずに口にしている「液体状の糖質」にあるのかもしれません。

今回は、最新の医学的知見と当院の肝臓病専門医としての視点を合わせ、脂肪肝(MASLD)を引き起こす率NO.1の成分「異性化糖(いせいかとう)」の正体と、その対策についてお伝えいたします。


1.ブドウ糖より10倍やばい?「異性化糖」の正体

脂肪肝(MASLD:マッスルディー)の最大の敵は、ジュースやスイーツ、調味料に潜む「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖など)」です。これはトウモロコシなどのでんぷんを分解して作られた液体の糖質で、以下の理由から肝臓をボロボロにします。

脂肪増量スイッチを即座に入れる

果糖(フルクトース)は、ブドウ糖と異なり、そのほとんどが肝臓でのみ代謝されます。そのため、摂取した瞬間にエネルギーとして使われなかった分がダイレクトに中性脂肪へと変換され、肝細胞を「フォアグラ状態」にしてしまうのです。

吸収スピードが早すぎる

液体の糖質は消化・分解の手間がほとんどかからず、急速に体内に吸収されます。これが急激な血糖値スパイクを招き、インスリンの働きを悪くさせ(インスリン抵抗性)、さらに肝臓へ脂肪を溜め込む悪循環を作ります。


2. 「健康的」に見える食品に潜む罠

異性化糖は「体に良さそう」な食品にも平然と紛れ込んでいます。

乳酸菌飲料腸内環境が改善すると思って飲んでいるものが、実は肝臓を砂糖漬けにしている場合があります。
もずく酢やドレッシングお酢そのものは肝臓に良いですが、市販の加工品には食べやすくするために「果糖ぶどう糖液糖」が大量に使われていることが多く、注意が必要です。
菓子パン砂糖だけでなく、マーガリンなどのトランス脂肪酸も含まれていることが多く、肝臓にとっては「大ダメージのセット」となってしまいます。

3. 「20歳から体重+10kg」は肝臓の限界サイン

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、3分の2以上が壊れるまで悲鳴を上げません。

肝線維化への進行ルート

ただ肝臓に脂肪が溜まっただけの状態から、炎症を伴うMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)へ移行すると、肝臓が硬くなる「線維化」が始まります。

肝線維化を放置するリスク

線維化が進むと、最終的には肝硬変や肝がんへと至る、後戻りできない状態になってしまいます。20歳の頃より体重が10kg以上増えている方は、すでにこの入り口に立っている可能性が高いのです。


4. 肝臓を救い、代謝を復活させる「3つの黄金習慣」

「異性化糖」の罠から抜け出し、肝臓の代謝工場としての役割を再稼働させるためには、今日から以下の対策を始めてください。

原材料表示を確認する(裏面を見る習慣づけ)

食品を買う前に裏面を見て、「果糖ぶどう糖液糖」「ぶどう糖果糖液糖」の記載がないかチェックしましょう。これらを避けるだけで、肝臓への負担は激減します。飲み物は水、お茶、コーヒーに切り替えるのが理想です。

ベジファースト」と「一口30回噛むこと」

食事の最初に野菜(食物繊維)を食べることで、糖の吸収を穏やかにします。よく噛むことは満腹感を得るだけでなく、血糖値の急上昇を抑え、脂肪蓄積を防ぐ最強の防御策です。

BCAAを多く含む食事をしっかりと

筋肉は糖を消費する「巨大な消費センター」です。鶏むね肉などに豊富なBCAA(分岐鎖アミノ酸)を摂取して筋肉を維持することは、肝臓の解毒作業を肩代わりし、肝臓を休ませること(肝活)に繋がります。


5. すでに肝臓の線維化が進んでいる方へ:再生医療による治療

食事改善や運動を頑張ったり、お薬を内服したりしても、肝臓の数値(ALTなど)がなかなか下がらない場合、それはあなたの努力不足ではなく、肝臓そのものが「線維化(硬化)」してしまい、自力で回復する力を失っているサインかもしれません。

当院では、自身の脂肪組織由来幹細胞を用いた「肝臓再生医療」を提供しています。

期待できる効果

投与された幹細胞が肝臓の慢性炎症を抑え、硬くなった組織の修復を促すことで、肝臓本来の「代謝の力」を根本から立て直すサポートをします。


まとめ:食品を買う前に原材料表示をよく見ましょう

スーパーで手に取るその一本のジュースが、肝臓の工場をゴミ屋敷にするか、クリーンに保つかを決めます。「甘い誘惑(異性化糖)」を避け、良質なタンパク質と運動でエンジンを磨き直しましょう。

もし、肝臓が肝硬変へと進行し、つまり、エンジンが焼き付いて動かない状態なのであれば、肝臓再生医療が有益な治療法になりうると考えています。

肝硬変と診断され途方に暮れている方がおられましたら、その心配で不安な心の内を、まずは、さいとう内科クリニックに相談してみませんか。お電話でもオンライン診療でも構いません。当院はその心の内を察し、親身になって相談を承っております。遠慮されることなく、お気軽にお声がけくださいね。

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
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