- 2026年2月3日
【肝臓病専門医が警告】食後の眠気は「脳」と「肝臓」の悲鳴?高血糖が招く認知症リスクと代謝の罠

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
「ランチの後はいつも猛烈に眠い」
「最近、集中力が続かなくなった」……。
こうした症状を「単なる疲れ」や「加齢」のせいにして放置していませんか?
近年の研究により、血糖値の乱高下(血糖値スパイク)による「糖質疲労」は、将来の認知症リスクを劇的に高めることがわかっています。実はこれ、肝臓病専門医の視点から見ても、非常に深刻な「肝臓の危機」と表裏一体なのです。
今回は、血糖値・脳・肝臓の密接な関係と、今日からできる対策についてお話しします。
1.脳がエネルギー不足に?高血糖と認知症の恐ろしい関係

血糖値の変動が激しい人は、そうでない人に比べてアルツハイマー病の発症リスクが1.6倍にもなるというデータがあります。
- 海馬の細胞死: 血糖異常が続くと、脳が糖をうまく取り込めなくなり、記憶の司令塔である「海馬」の細胞がエネルギー不足で死滅してしまいます。
- ゴミの蓄積: 脳内の老廃物である「アミロイドβ」は通常除去されますが、高血糖が常態化するとこの掃除が追いつかなくなり、脳に蓄積してアルツハイマー病を引き起こします。
2.血糖値スパイクは「肝臓」もボロボロにする

血糖値が急上昇する裏で、私たちの肝臓ではさらに深刻な事態が進行しています。
- 「代謝工場」のパニック: 糖質を摂りすぎると、肝臓は処理しきれなかった糖をどんどん「中性脂肪」に作り替えます。これが脂肪肝(MASLD/MASH)の正体です。
- 肝性脳症の罠: 糖質疲労で肝臓がダメージを受け、線維化(硬くなること)が進むと、有害物質の解毒ができなくなります。特にアンモニアが解毒されず脳に達すると、「肝性脳症」を引き起こし、認知症とよく似た意識障害や判断力の低下を招くのです。
3.「食べる順番」と「選び方」で脳と肝臓を守る

食事の工夫次第で、脳と肝臓への糖質疲労は避けられます。
- ゆるやかな糖質制限(ロカボ): 糖質を控える代わりに、肉・魚・卵などのタンパク質や脂質をしっかり摂ることがポイントです。
- 「カーボラスト」の徹底: ご飯やパンなどの炭水化物を最後に食べることで、血糖値の急上昇を抑えられます。
- 肝臓病専門医が勧める「+α」の習慣:
- ベジファースト: 野菜(食物繊維)を最初に食べることで、糖の吸収をさらに穏やかにします。
- 一口30回の咀嚼: よく噛んでゆっくり食べることは脂肪肝の改善に直結します。
- 液状の糖質を避ける: ジュースやエナジードリンクは吸収が早すぎ、肝臓にダイレクトに負担をかけます。
4.すでに「だるさ」や「肝臓の数値の異常」が抜けない方へ

食事改善を頑張っても、すでに肝臓が硬くなり(線維化)、解毒能力や代謝能力が落ちている場合、脳の霧(ブレインフォグ)や倦怠感を自力で解消するのは難しくなります。
当院では、こうした進行した肝疾患に対して、自身の細胞を用いる「肝臓再生医療(幹細胞治療)」を提供しています。
- 期待できる効果: 投与された幹細胞が肝臓の炎症を鎮め、それ以上肝臓が硬くならないようにしたり、硬くなった肝組織の改善を促したりします。
- 脳への好影響: 実際に治療を受けた患者様から、「肝臓の数値の改善とともに意識がはっきりし、外出できる気力が戻った」「肝性脳症の再発がなくなった」というQOL(生活の質)向上の報告を多くいただいています。
まとめ:体は「一つの巨大なシステム」です

血糖値を管理することは、「脳というコンピュータ」を正常に動かし続けるためのメンテナンスであり、同時に「肝臓という発電所」を爆発(肝硬変・肝不全)させないための安全装置でもあります。
食後の眠気やだるさは、体からの切実な「SOS」です。未来の認知症を防ぐために、そして脂肪肝、肝硬変へと進行するのを防ぐために、今日から「食べ方」を変えてみませんか?
肝臓の数値が悪くて不安になっておられる方や、自覚症状が気になる方は、遠慮なく肝臓病専門医へご相談ください。ご遠方の方には、オンライン診療(Curon)も承っております。当院は、肝臓病で不安に感じておられる患者様にとっての道しるべとなるべく、精一杯頑張ります。
- 院長
- 斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology - 所在地
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり) - 電話
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- 電話:078-967-0019
- 携帯電話:080-7097-5109