- 2026年2月5日
【肝臓病専門医が指南】肝臓を「働かせすぎ」ていませんか?回復のための食事術と沈黙のSOS

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
「寝ても疲れが取れない」
「食後に猛烈な眠気がある」……。
こうした何気ない不調は、実は「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓が限界を迎えているサインかもしれません。
今回は、肝臓病専門医が推奨する「肝臓を休ませる食べ方」をベースに、肝臓の代謝を復活させ、深刻な病気に進行させないための黄金ルールをお伝えします。
1.肝臓の「お疲れモード」を見逃さない

肝臓は予備能力が高く、機能の3分の2が失われるまで悲鳴を上げません。以下のチェック項目に心当たりがあれば、肝臓がフル稼働で疲弊している可能性があります。
| ・朝から体がだるい、疲れが抜けない ・食後に強い眠気を感じる(糖質疲労) ・肌荒れやかゆみ、顔色がくすんでいる ・お酒を飲まない日でも倦怠感がある |
これらは、肝臓の代謝・解毒機能が低下し、エネルギー不足や有害物質の蓄積が起きている証拠です。
2.肝臓病専門医が推奨する「肝臓を休ませる」5つの食事ポイント
①「腹八分目」が最強の薬

肝臓は食後に最も活発に働きます。食べ過ぎは代謝の負担を増大させ、脂肪肝(MASLD)の直接的な原因となります。「もう少し食べたい」で止める習慣が、肝臓への最大の休養になります。
② 22時以降の食事は「工場の残業」と同じ

夜遅い食事は、エネルギーとして消費されずダイレクトに中性脂肪として肝臓に蓄積されます。やむを得ず遅くなる場合は、豆腐や野菜スープなど消化に良いものを選び、肝臓の「夜勤」を最小限に抑えましょう。
③ タンパク質は「1食20g」を質にこだわって摂る

肝細胞の修復にはタンパク質が不可欠ですが、一度に大量に摂っても吸収しきれず肝臓の負担になります。朝・昼・晩に分けて、鶏むね肉、魚、大豆製品などの良質なタンパク質を1食20g目安で摂取しましょう。特に筋肉を維持することは、筋肉がアンモニアを解毒するのを助け、肝臓を休ませること(肝活)に繋がります。ただし、プロテインなど、サプリメントから摂取することはあまりお勧めできません。
④ 食物繊維と抗酸化成分で「防衛」

- 食物繊維(海藻・きのこ、野菜): 糖の吸収を穏やかにし、血糖値スパイク(糖質疲労)を防ぎます。食事の最初に食べる「ベジファースト」が効果的です。
- 抗酸化成分(緑黄色野菜): 活性酸素による肝細胞のダメージを軽減します。
⑤ 砂糖・果糖の「質」を厳格に見極める

砂糖の代わりにエネルギーになりやすい「はちみつ」を少量活用するのは良い方法です。一方で、最も警戒すべきはジュースや加工食品に含まれる「果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)」です。これらは肝臓で直接脂肪に変換されるため、避けるだけで脂肪肝のリスクは激減します。
3.食後の「ごろ寝」で修復スピードを1.5倍に!

食事の工夫に加え、ぜひ取り入れてほしいのが「食後30分〜1時間の安静(ごろ寝)」です。
横になる姿勢は、立っている時と比べて肝臓への血流量を約1.5倍に増やします。血流が増えることで、吸収した栄養の代謝や傷ついた肝細胞の修復が劇的にスムーズになります。
4.それでも肝臓の数値や体調が改善しない方へ

「食事を整えてもだるさが抜けない」「AST・ALTが高いまま」という場合、すでに肝臓の線維化(硬くなること)が進んでいる可能性があります。
当院では、標準治療を基本としつつ、自力での回復が難しい肝硬変に対して、ご自身の脂肪由来幹細胞を用いた「肝臓再生医療」を提供しています。
期待できる効果
幹細胞が肝臓の炎症を鎮め(抗炎症作用)、硬くなった組織の改善(線維化抑制)を促すことで、肝臓本来の機能を根本から立て直すサポートをします。
まとめ:肝臓はあなたの「社内食堂を兼ねた精製工場」です。

一度に大量の注文(ドカ食い)や、深夜の急な発注(夜食)を繰り返せば、工場はパンクしてゴミ(中性脂肪)だらけになります。
「質の良い材料(タンパク質)をこまめに届け、掃除役(食物繊維)を雇い、時には工場のシャッターを閉めて(睡眠・ごろ寝)メンテナンス時間を確保すること」。これが、一生モノの肝臓を守る唯一の手段です。
少しでも不安があれば、肝臓病専門医によるエコー検査等でのチェックをお勧めします。遠方の方はオンラインでの事前相談もぜひご活用ください。
- 院長
- 斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology - 所在地
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり) - 電話
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