• 2025年7月8日

費用は330万円。肝臓再生医療の「医療費控除」は?高額な治療と向き合うために知っておくべきこと

肝臓再生医療にご興味をお持ちの方にとって、最も気になる点の一つが「費用」ではないでしょうか。当院の肝臓再生医療は、現在、330万円(税込)という費用がかかります。この金額を聞いて、治療をためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、高額な治療だからこそ、知っておくべき大切な制度があります。それが、「医療費控除」です。

「医療費控除」の仕組みを理解しよう

医療費控除とは、ご自身や生計を共にするご家族のために支払った医療費が、一定額を超える場合、その超えた部分の金額を所得から差し引くことで、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。

肝臓再生医療は自由診療であり、その費用は保険適用外となります。しかし、医療費控除は、保険適用外の治療であっても、医師による治療のために支払われた費用であれば、原則として対象となります。そのため、当院の肝臓再生医療の費用も、医療費控除の対象となる可能性が高いです。
ただし、医療費控除の対象となる医療費の上限は、法律で200万円までと定められています。


どれくらい負担が軽くなる?具体的なシミュレーション

では、実際にどれくらいの負担軽減が見込めるのでしょうか?具体的な例で考えてみましょう。

例えば、年収600万円の給与所得者の方が、当院の肝臓再生医療費330万円を支払った場合、医療費控除の対象となるのは上限の200万円までとなります。この場合でも、確定申告を行うことで、年間で約40万円から50万円程度の所得税・住民税が軽減される可能性があります。

これはあくまで一例ですが、医療費控除を活用することで、治療費の一部が実質的に還付されたり、翌年の税金が安くなったりと、経済的な負担を和らげることが期待できます。

誤解しやすい点:高額療養費制度や先進医療特約との違い

高額な医療費に関して、よく混同されがちな制度として「高額療養費制度」や民間の生命保険の「先進医療特約」があります。

  • 高額療養費制度: これは、公的医療保険が適用される医療費に対して、自己負担額が一定額を超えた場合にその超えた分が払い戻される制度です。当院の肝臓再生医療は自由診療のため、この高額療養費制度は対象外となります。
  • 先進医療特約: 民間の生命保険に付帯するこの特約は、厚生労働大臣が定める「先進医療」に該当する治療を受けた場合に、その技術料を保障するものです。しかし、肝臓再生医療は現時点では「先進医療」として承認されている治療ではないため、この特約の対象外となることをご理解ください。

これらの制度と医療費控除は異なるため、それぞれの制度の適用範囲を正しく理解しておくことが重要です。


費用と価値を総合的に考える

肝臓再生医療の費用は確かに高額です。しかし、利用できる「医療費控除」という制度を正しく知ることで、その経済的な負担を軽減できる可能性があります。

費用だけでなく、治療があなたのQOLにどのような変化をもたらすのか、そして、あなたの「もう一度〇〇したい」という願いを叶える可能性についても、ぜひ総合的にご検討いただきたいと思います。

金銭的な不安も含めて、まずはお気軽に専門医にご相談ください。あなたの状況に合わせた最適な治療法、そして利用できる制度についても、真摯にお話しさせていただきます。Curonを利用したオンライン事前相談も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

さいとう内科クリニック 078-967-0019 ホームページ