• 2026年2月2日
  • 2026年2月3日

【肝臓病専門医が教える】代謝を復活させる「タンパク質」の摂り方と忍び寄る「糖質疲労」の正体

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「しっかり休んでいるのに疲れが取れない」

「食後に猛烈な眠気に襲われる」

「ダイエットを頑張っているのに痩せない」……。

その原因は、あなたの根性不足でも加齢のせいでもなく、肝臓の代謝機能が落ちている「脂肪肝(MASLD)」にあるかもしれません。

今回は、医学的知見に基づいた食事療法と、肝臓病専門医としての経験から、肝臓を救い代謝を劇的に復活させるための「食事の黄金ルール」についてお伝えいたします。


1.タンパク質は「1食20g」をこまめに摂るのが正解

タンパク質は筋肉や臓器、血液の材料となる最重要栄養素ですが、一度に大量に摂っても体は処理しきれません。

  • 「20gの壁」を知る: 人間が一度に吸収できるタンパク質量は約20gが限界だといわれています。そのため、1日の推奨量(男性65g、女性50g)を一度に摂るのではなく、朝・昼・晩の3食+間食で「こまめに」摂ることが、肝細胞の修復材料を絶やさない秘訣です。
  • 「3:5:2」の比率へ: 多くの日本人は糖質が過剰な「2:6:2」の割合で食事をしていますが、脂肪肝を改善し代謝を上げるなら、「タンパク質3:炭水化物5:脂質2」というバランスを目指しましょう。

2.「糖質疲労」が肝臓と脳を蝕む

「糖質(炭水化物)」の摂りすぎは、単なる肥満だけでなく、全身の倦怠感を引き起こす「糖質疲労」を招きます。

  • 血糖値スパイクの罠: ご飯や麺類、甘いものをドカ食いすると血糖値が急上昇し、その反動で急降下する「血糖値スパイク」が起こります。これが食後の眠気やだるさの正体です。
  • 「果糖」はダイレクトに脂肪になる: 果物やジュースに含まれる「果糖(フルクトース)」は、ブドウ糖と異なりほぼすべてが肝臓で直接代謝され、ダイレクトに中性脂肪に変換されます。
  • 認知症リスクが1.6倍に: 血糖の変動が激しい人は、そうでない人に比べてアルツハイマー病の発症リスクが1.6倍高まるという報告もあります。

3.筋肉を増やして肝臓を「休ませる」

肝臓は基礎代謝の約21%を担う、体内で最大の「代謝工場」です。そして、第2の拠点である「筋肉(基礎代謝の約20%)」を維持することは、肝臓を助けることに直結します。

  • 筋肉の解毒作用: 筋肉には、有害なアンモニアを取り込んで処理する力があります。筋肉がこの作業を肩代わりすることで、肝臓は夜間に自身の修復や再生に専念できるようになります。
  • BCAAの重要性: 鶏むね肉などに豊富なBCAA(分岐鎖アミノ酸)は、筋肉を作るスイッチを押し、肝臓の負担を劇的に軽減します。

4.肝臓病専門医が推奨する「代謝復活」の実践テクニック

  • ベジファーストと一口30回

食事の最初に野菜(食物繊維)を食べ、よく噛むことで血糖値の急上昇を抑えます。

  • 食後の「ごろ寝」

食後30分〜1時間は横になって安静にしましょう。立っている時よりも肝臓への血流量が1.5倍に増え、代謝と修復の効率が上がります。

  • プロテインの賢い活用

食事だけでタンパク質が足りない時は、低脂肪なプロテインバーやゼリー飲料を「戦略的な間食」として取り入れましょう。ただ、盲目的にサプリメントに依存することは好ましくありません。


最後に:肝臓を守ることは、未来の自分を守ること

「沈黙の臓器」である肝臓は、限界を迎えるその瞬間まで文句も言わず働き続けます。だからこそ、私たちが意識的に労ってあげなければなりません。

今回ご紹介した「タンパク質の分割摂取」と「糖質疲労の回避」は、医学的に理にかなった最強の代謝アップ術です。ぜひ、次のお食事から実践してみてください。

補足:肝臓再生医療という新しい治療法

生活習慣の改善だけでは肝臓の数値が戻らない、あるいはすでに肝硬変への進行がみられている方にとって、「再生医療(幹細胞治療)」という画期的な治療法があることをご存じでしょうか。肝臓再生医療とは、ご自身の細胞の力で肝臓の機能を立て直すことができる最新の治療法です。

当院による肝臓病治療は、保険診療による標準治療と並行して、肝臓再生医療にも力を入れています。当院では肝臓病以外の再生医療は一切行っておらず、肝臓病に特化した再生医療を行っております。現時点(2026年2月2日現在)で、日本国内において肝臓再生医療を受付している医療機関は当院のみです。

あなたの肝臓は、まだ蘇る可能性を秘めています。「もう年だから」「体質だから」と諦める前に、ぜひ一度、当院にご相談ください。肝硬変がさらに進行して肝不全になってしまうのではと心配で仕方ない患者様にとって、私たちが道しるべとなるべく、納得いくまで責任を持って対応させて頂きますので、どうぞご安心くださいね。

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109