• 2026年2月3日

【肝臓病専門医が解説】「頑張っても痩せない」のは肝臓のせい?代謝を復活させる『隠れ糖質』対策の新常識

「食事制限をしているのに、お腹周りが痩せない」

「ダイエットの成果が出なくなった」――。

そんなお悩みの背後に潜んでいるのは、実は「脂肪肝(MASLD)」かもしれません。

現在、成人の約3人に1人が脂肪肝と言われていますが、近年ではお酒を飲まない人や若い女性、さらには痩せ型の人でも発症する「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」が激増しています。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長・斉藤雅也(肝臓病専門医)が、最新の知見を基に、肝臓の代謝力を復活させて「勝手に痩せていく体」を取り戻すための新常識をお伝えします。


1.肝臓は体内の「巨大な代謝工場」

肝臓は、私たちが食べた栄養(炭水化物・脂質・タンパク質)を加工・貯蔵・供給する「生体の化学工場」です。しかし、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積(フォアグラ化)すると、工場の稼働率、つまり代謝機能が劇的に低下します。

脂肪が燃えない

肝臓が脂肪の分解やエネルギー変換をスムーズに行えなくなるため、いくら運動をしても効率よく体脂肪が減らない「痩せにくい体質」になってしまうのです。


2.ダイエットの天敵!「見えない糖質」に要注意

現代の脂肪肝の最大の原因は脂質(油)よりも「糖質の摂りすぎ」、特に加工食品に含まれる「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖など)」にあります。

特に「良かれ」と思って摂っている以下のものには、大量の糖質が隠れています。

甘い罠が潜む食べ物

  • 菓子パン(糖質 約50g): 甘味と風味のために糖質が多用されており、肝臓へのダメージが甚大です。
  • グラノーラ・シリアル(糖質 約30g/100g当たり): 食物繊維を謳っていても、実は砂糖や油分が多く、高カロリーです。
  • 調味料(めんつゆ・ポン酢など / 糖質 約5g): ヘルシーなイメージの和風調味料にも、とろみやコクを出すために糖質が使われています。

液体の恐怖

液体状の糖質は吸収が非常に早く、急激に血糖値を上げる「血糖値スパイク」を引き起こし、さらに脂肪の蓄積を加速させます。

なぜ「果糖(フルクトース)」は特に危険なのか?

ご飯などに含まれるブドウ糖は全身の細胞でエネルギーになりますが、ジュースや果物に多い「果糖」は、ほぼ全てが肝臓で直接代謝されます。 そのため、摂りすぎた分はダイレクトに中性脂肪に変換され、肝細胞をパンパンに膨らませてしまうのです。


3.肝臓病専門医が教える「代謝復活」の黄金習慣

肝臓は再生能力が高い臓器です。日々の習慣を変えることで、代謝力を取り戻すことが可能です。

  • 「ベジファースト」と「30回の咀嚼」: 食事の最初に野菜を摂り、一口30回噛むことで血糖値の急上昇を抑え、満腹中枢を刺激します。
  • 甘い飲み物を「水」か「お茶」へ: これだけで1日の糖質摂取量を大幅にカットできます。
  • 食後の「ごろ寝」: 食後すぐに横になる(または座って安静にする)ことで、肝臓への血流量が1.5倍に増え、修復と代謝の効率が上がります。
  • 動物性タンパク質の摂取: 肉、魚、卵などの良質なタンパク質は肝細胞の修復に不可欠であり、筋肉量を維持して代謝を底上げする助けになります。

4.すでに深刻なダメージを受けている方へ

食事改善や運動を頑張っても肝臓の数値が良くならない、あるいはすでに肝臓が硬くなる「線維化」が進んでいると言われた場合でも、諦める必要はありません。

当院では、患者様ご自身の細胞を用いた「肝臓再生医療(幹細胞治療)」を提供しています。

  • メカニズム: 点滴で戻した幹細胞が肝臓の炎症を鎮め、すでに硬くなった肝組織(線維化)の進行を抑えることで、肝臓本来の回復力をサポートします。
  • 期待できる効果: アルブミン値の改善や倦怠感の軽減、さらには「気力の回復」により、再びアクティブな生活を取り戻された患者様の事例も増えています。

まとめ:肝臓はあなたの健康を司る「司令塔」です。

脂肪肝(MASLD)を改善すれば、何もしなくても勝手に痩せていく体を手に入れることが期待できます。まずは冷蔵庫の中の「隠れ糖質」をチェックし、食生活を見直してみましょう。そうすることで、肝臓の代謝力が高まり、痩せやすい体質に切り替わっていくでしょう。

もし健康診断での肝臓の数値に不安があったり、長年のダイエットが実を結ばなかったりするなら、一度、肝臓病専門医にご相談ください。ご遠方の方には、Curonによるオンライン診療も受け付けております。

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
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