• 2026年2月4日

【肝臓病専門医が推奨】お酒を飲まない人も必見!「沈黙の臓器」肝臓を守る3つの食べ方と新常識

新年会などイベントが続き、肝臓の健康を気遣う際にお酒の影響ばかりを気にしていませんか?

実は、お酒を飲まない人でも「食事」が原因で肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」が急増しています。 肝臓は体内の栄養を加工・貯蔵する「化学工場」であり、有害物質を分解する「フィルター」でもありますが、痛みを感じる神経がないため、ダメージを受けてもギリギリまで症状を出さない「沈黙の臓器」です。

今回は、肝臓病専門医の視点から、肝臓を守るための具体的な食事術をお伝えいたします。


1. 肝臓を守る食べ方の黄金ルール

肝臓病専門医の視点から見ても、脂肪肝改善の約8割は食事で決まると言われるほど、食生活の見直しは重要です。

「糖質(特に果糖)」と「食べ過ぎ」に注意

「脂肪肝」という名前から脂質の摂りすぎが原因と思われがちですが、最大の敵は「糖質の摂り過ぎ」と「早食い」です。 特に、清涼飲料水や果物に多く含まれる「果糖(フルクトース)」は要注意です。 ブドウ糖は全身のエネルギーになりますが、果糖はほぼ肝臓でしか代謝されないため、摂りすぎるとダイレクトに中性脂肪へ変換され、肝臓を「フォアグラ化」させてしまいます。 また、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまう早食いも、血糖値を急上昇させインスリンの過剰分泌を招き、脂肪蓄積を加速させます。 一口につき30回噛むことを意識し、ゆっくり食べる習慣を身につけましょう。

「主食・主菜・副菜」を揃え、良質なタンパク質を摂る

肝細胞の再生・修復には、その材料となる良質なタンパク質が欠かせません。 脂身の多い肉よりも、青魚(サバ、イワシなど)や大豆製品(豆腐など)、鶏むね肉を積極的に選びましょう。 特に青魚に含まれるDHAやEPAは、肝臓の脂肪代謝を促進する働きがあります。 また、食事の最初に緑色の野菜やきのこ、海藻類を食べる「ベジファースト」を徹底することで、食物繊維が糖質や脂質の吸収を穏やかにしてくれます。

脂質の「質」を選び、夜遅い食事を避ける

バター(飽和脂肪酸)やマーガリン(トランス脂肪酸)の摂りすぎを控え、オリーブオイルなどの植物性油脂や魚の油を上手に活用しましょう。 さらに、夜遅い食事(就寝前3時間以内)はエネルギーとして消費されにくく、そのまま脂肪として蓄積されやすいため控えるのが賢明です。


2. 知っておきたい「脂肪肝」の新常識:NAFLDからMASLDへ

医学の世界では、お酒を飲まない人の脂肪肝の呼び方が変わりました。これまでは「NAFLD(ナッフルディー)」と呼ばれていましたが、現在は「MASLD(マッスルディー:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」という名称が使われています。これは、脂肪肝が単なる食べ過ぎだけでなく、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった「代謝の異常」と深く関わっていることを明確にするためです。

特に怖いのは、炎症を伴う「MASH(マッシュ:代謝機能障害関連脂肪肝炎)」への進行です。 自覚症状がないまま静かに線維化(肝臓が硬くなること)が進み、放置すると肝硬変や肝がんへと繋がる危険性があります。

また、痩せ型の人でも筋肉量が少ない「隠れ肥満」の状態であれば、代謝が低下して脂肪を溜め込みやすいため注意が必要です。


3. 食事以外で肝臓をサポートする習慣

肝臓を労わるためには、食事に加えて以下の習慣も有効です。

  • 適度な運動: ウォーキングなどの有酸素運動にスクワットなどの筋トレを組み合わせることで、基礎代謝を上げ、脂肪が燃えやすい体を作ります。
  • 筋肉の活用: 筋肉は有害なアンモニアの処理を助けるため、筋肉を維持することは肝臓の休息時間を増やすことに繋がります。
  • コーヒーの力: 1日1~2杯のコーヒーに含まれるクロロゲン酸には、肝臓の炎症を抑える効果が期待されています。
  • 十分な休養: 横になる姿勢は、立っている時よりも肝臓への血流が1.5倍に増えるため、しっかり眠ることは肝臓の修復・再生を促します。

まとめ:諦める前に肝臓病専門医への相談を

肝臓の数値(AST, ALT, γ-GTPなど)が高い場合や、エコー検査で脂肪肝を指摘された場合は、決して放置しないでください。 生活習慣の改善で多くは改善しますが、必要と判断された場合には、内服による標準治療を行います。もし、気がつくのが遅れて肝硬変へと進んでしまった場合でも、現代医療には「幹細胞を用いた再生医療」という新しい治療法があります。

当院では、保険診療による標準治療を基本としており、一人ひとりの状態に合わせて、肝臓再生医療を並行して行ったほうがいいかどうかについてもしっかりと検討した上でご提案します。「もう治らない」と諦める前に、まずはオンライン事前相談などを通じて、最初の一歩を踏み出してみませんか?

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
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