- 2026年3月20日
【健康診断で要精査と言われたら】γ-GTP異常と肝機能障害の正しい見方・改善法

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
健康診断の結果で「肝機能異常(要精査)」と書かれていて、ドキッとした経験はありませんか?
特に「γ-GTP(ガンマGTP)」の数値が高いと、「お酒の飲み過ぎだろうから、少しお酒を控えれば大丈夫」と自己判断して放置してしまう方が少なくありません。
しかし、肝機能の数値異常には、お酒以外にもさまざまな病気のリスクが隠れています。
今回は、健康診断でよく目にする肝機能の数値(とくにγ-GTP)が意味することと、肝臓を守るための正しい対処法についてお話しします。
■ γ-GTPが高い=お酒のせい、とは限らない?

γ-GTPは、肝臓の解毒作用に関わる酵素のひとつです。アルコールに非常に敏感に反応するため、普段からお酒をよく飲む人ほど数値が高くなる(基準値は一般的に50 U/L以下)という特徴があります。
「1日に日本酒3合またはビール2リットルを5年間」といった多量飲酒を続けている場合は、アルコール性肝障害の可能性が高いです。約2週間の禁酒で数値が半分程度まで下がるかどうかが、アルコールが原因かを見極める重要な目安になります。
しかし、お酒を一滴も飲まない人でもγ-GTPが上がることがあります。
| ・代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH):肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因で肝臓に脂肪がたまる病気 ・薬の副作用:向精神薬や睡眠薬、サプリメントなどによる薬物性肝障害 ・胆道の異常:胆石や胆管がんなどによって胆汁の流れが悪くなっている状態、または、自己抗体により胆汁の流れが悪くなって起こる原発性胆汁性胆管炎 |
このように、γ-GTPの異常はお酒だけが原因ではなく、様々な病気のサインである可能性があるのです。
■ AST・ALTと一緒に見て「本当の原因」を探る

肝臓のダメージを正確に把握するためには、γ-GTPだけでなく、同じく血液検査の項目である「AST」と「ALT」の数値も合わせて確認することが重要です。
| ・ASTとALTは、肝臓の細胞が壊れた時に血液中に漏れ出す酵素です。 ・ALTの上昇のほうが大きい場合:脂肪肝や慢性肝炎の疑い ・ASTの上昇のほうが大きい場合:急性肝炎や、アルコール性肝障害(ASTがALTの2倍以上になることが多い)の疑い |
これらに加えて、胆道の異常を示す「ALP」や、黄疸の原因となる「ビリルビン」などの数値を総合的に見ることで、医師はどこに異常があるのかを推測しています。
■ 異常を放置するとどうなる?沈黙の臓器の怖さ

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージを受けても初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
「症状がないから大丈夫」「ただの脂肪肝だから」と放置して炎症が続くと、やがて肝臓が硬くなる「肝硬変」へと進行し、そこから「肝臓がん」が発生するリスクが非常に高くなります。
むくみや黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などの自覚症状が現れた頃には、すでに取り返しがつかない状態になっていることも少なくありません。
■ 肝臓を労わる生活習慣と、当院でのアプローチ

肝機能を改善し、脂肪肝などを予防するためには、日々の生活習慣の見直しが不可欠です。
- バランスの良い食事:良質なタンパク質(魚、大豆、卵など)と、ビタミン・ミネラル・食物繊維(野菜、きのこ、海藻)を摂る。
- 休肝日を作る:週に2日はお酒を休む(2〜3日飲んで1日休むペースが理想)。
- 適度な有酸素運動:1日30分程度のウォーキングなどで内臓脂肪を減らし、筋肉をつけることで肝臓の働きをサポートする。
そして何より大切なのは、健康診断で異常を指摘されたら「自己判断せず、まずは肝臓病専門医による精密検査を受けること」です。
専門医による詳細な血液検査や腹部エコー検査などで徹底的に原因を特定し、早期に対策を打つことが肝心です。
また、生活習慣の改善だけでは肝機能の回復が難しい方へ向けて、当院ではご自身の細胞を用いて肝臓の修復を促す「肝臓再生医療(幹細胞治療)」という新しい治療にも取り組んでいます。肝硬変、肝不全となり苦しんでおられる患者さまが、この治療を受けられることにより、希望の光が見えた、諦めることなく前進して良かったと言って下さっておられることが、私たちの喜びです。
健康診断の結果で気になる数値があった方は、大きな病気に進行してしまう前に、ぜひ一度当院へご相談ください。大切な肝臓を一緒に守っていきましょう。
- 院長
- 斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology - 所在地
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり) - 電話
-
- 電話:078-967-0019
- 携帯電話:080-7097-5109
- アクセス
- 当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。