• 2026年4月2日

進化する肝臓がん治療!熱で焼く治療から「電気」を利用する最新治療まで

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「肝臓がん」と聞くと、お腹を大きく開いて手術をするイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし近年、肝臓がんの治療は目覚ましい進歩を遂げており、体への負担が少ない治療の選択肢がどんどん広がっています。
今回は、現在広く行われている治療法から、大学病院などで研究が進められている最新の治療法まで、進化を続ける肝臓がん治療の「今」について分かりやすくお話しします。

■ 肝臓がんの標準治療「熱で焼く」局所療法

現在、肝臓がんの治療として広く行われているのが、お腹の外から細い針を刺してがんを直接治療する「穿刺(せんし)局所療法」です。

代表的なものに、ラジオ波焼灼療法(RFA)やマイクロ波焼灼療法(MWA)があります。

これらは、針の先端から熱を発生させ、がん組織を「焼いて壊死(えし)させる」治療法です。お腹を大きく切る開腹手術に比べて体への負担が少なく、回復が早いという大きなメリットがあります。最近の国内の共同研究でも、新しいマイクロ波焼灼療法(MWA)の高い有効性と安全性が報告されています。

■ 熱治療の弱点「ヒートシンク効果」とは?

非常に優れた熱焼灼療法ですが、弱点もあります。

それは、がんが「太い血管のすぐ近く」にある場合です。

血管の中は常に血液が勢いよく流れているため、熱を使ってがんを焼こうとしても、血液の流れによって熱が奪われてしまいます。これを「ヒートシンク効果」と呼びます。この現象により、血管の近くにあるがんでは、熱が十分に伝わらず治療効果が不十分になるケースがありました。

■ 熱に頼らない最新治療「不可逆電気穿孔法(IRE)」

そこで現在、新たな治療法として注目され、大学病院などで研究が進められているのが「不可逆電気穿孔法(IRE)」という技術です。

この治療法は、従来のように「熱」を使うのではなく、「電気の力」を使います。

がんに細い針を刺し、高電圧の非常に短い電気パルスを流すことで、がん細胞の膜に目に見えないほどの微細な穴を開けます。すると、がん細胞は構造を保てなくなり、自然死(アポトーシス)へと導かれます。

IREの最大のメリットは、熱を使わないため、ヒートシンク効果の影響を受けず、血管や胆管といった重要な組織を傷つけにくい点です。これまで「血管の近くにあるから治療が難しい」とされていたがんに対しても、新たな希望となる可能性を秘めています。

■ 治療の選択肢は広がっています!まずは肝臓病専門医へご相談を

肝臓がんの治療は、今回ご紹介した局所療法だけでなく、お薬を使った全身治療(免疫療法など)も劇的に進歩しています。

「肝臓の数値が悪い」「脂肪肝と言われた」という段階から、肝硬変、そして肝臓がんへと進行させないことが何より重要ですが、万が一病気が見つかった場合でも、治療の選択肢は確実に増えています。

当院では、高度な画像診断の知識に基づき、肝臓の状態を正確に評価した上で、標準治療から、ご自身の細胞を用いた「肝臓再生医療(幹細胞治療)」まで、患者様お一人おひとりに最適なプランをご提案しています。

「沈黙の臓器」である肝臓を守るためには、定期的な血液検査と腹部エコー検査が欠かせません。健康診断で肝臓の数値の異常を指摘された方や、ご自身の肝臓の状態が気になる方は、手遅れになる前にぜひ一度、肝臓病専門医である当院にご相談ください。

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。