• 2025年7月8日

【肝臓の数値を良くしたい方へ】AST(GOT)・ALT(GPT)は下がる?再生医療による血液データ改善の可能性を専門医が解説

「健康診断の結果を見て、肝臓の数値に一喜一憂している…」
「このASTやALTの数値、何とか良くならないものか…」

もしあなたが今、そんな切実な思いを抱えているのなら、このブログ記事はあなたの希望の光となるかもしれません。

このブログでは、肝臓の血液検査でよく目にする数値が何を意味するのか、そして、従来の治療では難しいとされてきた「肝機能の数値改善」に、再生医療がどのような可能性をもたらすのかを専門医の視点から分かりやすくお伝えします。


あなたの肝臓の数値、気になっていませんか?主要な数値が示すサイン

健康診断の血液検査で、特に肝臓の状態を示す重要な数値がいくつかあります。これらの数値は、肝臓が今どのような状態にあるのかを教えてくれる大切なサインです。

AST(GOT)とALT(GPT):「肝臓のSOSサイン」

AST(GOT)とALT(GPT)は、肝臓の細胞に多く含まれる酵素です。肝臓に何らかのダメージがあると、これらの酵素が血液中に流れ出し、数値が上昇します。

  • ALT(GPT): 肝臓や胆管に特に多く存在します。そのため、ALTの数値が上昇している場合、ほぼ間違いなく肝臓や胆管に問題があると考えられます。
  • AST(GOT): 心臓の筋肉や赤血球にも存在するため、肝臓以外の病気で上昇することもありますが、ALTと合わせて上昇している場合は肝臓の問題が強く疑われます。

日本人間ドック学会の基準値と、その数値が示す意味

数値(U/L)解釈
30以下正常範囲です。
51以上「異常」とされます。注意が必要です。
100以下医師によっては経過観察や食事・飲酒制限などの生活指導で済ませることも多いですが、肝臓に負担がかかっている可能性は十分にあります。
100慢性肝炎や脂肪肝などの肝臓病が強く疑われます。特にASTがALTより高い場合は、アルコール性肝炎の可能性も考えられます。
300入院が必要となる可能性が高い危険な状態です。
500急性肝炎の可能性が強く、非常に危険な状態です。このレベルになると、多くの場合、自覚症状が現れ、健診結果を待たずに医療機関を受診していることでしょう。

「100以下なら大丈夫」と安易に考えるのは禁物です。医師から経過観察と言われても、それは「安全信号」ではありません。あなたの肝臓が助けを求めているサインかもしれないのです。

γ-GTP:お酒を飲まない人も要注意!

  • γ-GTP(ガンマGTP)も肝臓や胆道系の異常を示す数値です。アルコール性肝障害の指標として有名ですが、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)や薬剤性肝障害、胆石などでも上昇します。

アルブミン(Alb)と血小板(PLT):肝臓の機能と線維化の指標

  • アルブミン(Alb): 肝臓で作られるタンパク質で、肝臓の合成能力を示す重要な指標です。数値が低いと、肝臓の機能が低下している可能性があります。むくみなどにも影響します。
  • 血小板(PLT): 肝硬変が進行すると、血小板の数が減少することがあります。これは肝臓の線維化の進行度合いと関連があると言われています。

これらの数値は、単独で見るのではなく、総合的に判断することが大切です。


再生医療が肝機能の数値改善に光を当てるメカニズム

従来の肝臓病治療では、一度進行してしまった肝硬変などの場合、肝機能の数値改善は難しいとされてきました。しかし、再生医療、特に幹細胞治療は、これらの数値に良い影響を与える可能性を秘めています。

なぜ幹細胞治療が肝臓の数値に影響を与えるのでしょうか?

それは、幹細胞が持つ「炎症抑制作用」と「組織修復促進作用」が鍵となります。肝臓の病気は、慢性的な炎症が肝細胞にダメージを与え、線維化(肝臓が硬くなること)を引き起こすことで進行します。幹細胞は、体内で傷ついた組織や炎症のある場所に集まる性質があります。肝臓に到達した幹細胞は、以下のような働きをすると考えられています。

  1. 炎症の抑制: 肝臓の炎症を鎮めることで、肝細胞へのダメージを軽減します。これにより、ASTやALTといった肝細胞が壊れることで上昇する数値の改善が期待できます。
  2. 残存肝細胞の機能補助: 炎症が抑えられ、肝臓の環境が改善されることで、残っている肝細胞がより効率的に働くことを助けます。これにより、アルブミンの産生能力が向上し、アルブミン値の上昇に繋がる可能性があります。
  3. 線維化の抑制・改善: 肝臓の線維化を抑制し、場合によっては改善する作用も期待されています。これにより、血小板減少の進行を遅らせたり、改善したりする可能性も考えられます。

これらのメカニズムにより、結果として血液データ上の数値改善が期待できるのです。

再生医療で得られる「希望」:具体的な改善の可能性

実際に当院で再生医療を受けられた患者様の中には、肝機能の数値に改善が見られた例もあり、例えば、アルブミン値が上昇しむくみの改善や、ASTやALTの数値の安定よりQOL(生活の質)が向上したといった効果も期待できます。

もちろん効果には個人差がありますが、従来の治療ではなかなか改善が見られなかった方にとって、再生医療は新たな選択肢、そして希望となり得るのです。


数値は指標、でも希望は力になる

肝臓の数値はあくまであなたの体の状態を示す指標の一つです。最も大切なのは、あなた自身のQOL(生活の質)の改善であることは言うまでもありません。しかし、客観的な数値という目標を持つことは、治療への励みとなり、前向きに取り組む大きな力となります。

あなたのASTやALT、γ-GTPといった肝機能の数値。「もう良くならない」と諦めていませんか?
もしかしたら、再生医療があなたの希望を叶えるかもしれません。
ぜひ一度、あなたのその数値を改善する可能性について、私たち専門医に相談してみませんか?
当院では、再生医療に関するオンライン事前相談(Curonを利用)も受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
ご自身の肝機能の数値について気になる点があれば、まずは専門医にご相談いただくことをお勧めします。

オンライン事前相談はこちら


さいとう内科クリニック 078-967-0019 ホームページ