• 2026年3月26日

【肝臓病はあきらめない】肝炎・肝硬変から肝がんを防ぐ最新治療と「再生医療」の希望

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

日本では、肝臓がんによって年間3万人以上の方が亡くなられており、早期発見が難しく予後が厳しいがんの一つとされてきました。しかし近年、医療の進歩により、肝臓がんやその手前である肝炎・肝硬変に対する治療法は飛躍的に向上しています。

今回は、肝炎から肝硬変、そして肝臓がんへと至る流れと、つらい症状を和らげる治療、そして当院でも力を入れている「肝臓再生医療(幹細胞治療)」という新たな治療法についてお話しします。

■ 肝炎から肝硬変、そして肝臓がんへ

肝臓がんの多くは、健康な状態から突然発生するわけではありません。

肝炎ウイルスの感染や、アルコールの飲み過ぎ、そして最近増えている肥満や糖尿病による「脂肪肝炎」などが原因で、肝臓に慢性的な炎症が起こることから始まります。

この炎症が長期間続くと、肝細胞が壊れて線維が沈着し、肝臓がカチカチに硬くなる「肝硬変」へと進行します。肝硬変が長期化すると、高い確率で肝臓がんを発症してしまいます。また、肝硬変が進行するとおなかに水がたまる「腹水」や脳症、黄疸などのつらい症状も現れます。

だからこそ、自覚症状がない肝炎の段階で「肝がんの高危険群」であることをしっかり認識し、生活習慣の改善や適切な治療を行うことが何より重要です。

■ 肝臓がんや合併症に対する治療の進歩

万が一、肝臓がんが発生してしまった場合でも、現在では患者様の肝機能の状態や腫瘍の大きさに合わせて、様々な治療法が選択できるようになっています。

がんを外科的に取り除く「肝切除」や、小さな腫瘍を針で刺して熱で焼灼する「ラジオ波焼灼療法(RFA)」、がんに栄養を送る血管を塞ぐ「経カテーテル的肝動脈塞栓療法(TAE)」、さらに分子標的治療薬を用いた全身の化学療法や放射線療法など、治療の選択肢は大きく広がっています。

また、肝硬変が進んでおなかに水がたまってしまった場合でも、その腹水を体外に取り出してろ過・濃縮し、有用な栄養(蛋白成分など)だけを再び体内に戻す「CART療法(腹水濾過濃縮再静注法)」といった、患者様のつらい症状を緩和し生活の質を向上させる治療法も行われています。

■ 肝臓をよみがえらせる「幹細胞治療(再生医療)」

これまで、カチカチに硬くなってしまった肝硬変を元の状態に戻すことは困難だとされてきました。しかし現在、新たな治療法として「再生医療」が大きな注目を集めています。

当院でも提供しているのが、患者様ご自身のお尻の皮下脂肪から採取した「自己脂肪由来間葉系幹細胞」を使用した治療です。

取り出した幹細胞を専用の施設で培養して増やし、点滴で再び体内へ投与します。この間葉系幹細胞には、炎症を抑えたり、免疫を調整したりする優れた能力があり、肝臓の炎症や線維化(硬くなること)を抑え、肝細胞の再生を促すことがわかっています。

ご自身の細胞を使用するため拒絶反応が少なく、入院せず日帰りでの投与が可能なため、体への負担が少ないことも大きな特徴です。当院で肝臓再生医療を受けていただくことにより、肝臓の数値改善、倦怠感や足のむくみといった自覚症状の改善を示す報告も増えてきており、根本的な機能回復を目指す有効な治療法として期待されています。

■ おわりに:肝臓の治療はあきらめない時代へ

「肝硬変と診断され、もう後戻りできない」「肝硬変が進行してしまい、腹水や脳症、黄疸が現れているのでもうどうしようもない」と悲観する必要はありません。

肝臓病の治療技術は日々進歩しており、患者様お一人おひとりに合わせた多様な治療法が存在します。

当院では、専門的な知見に基づき、標準治療から先進的な再生医療まで、皆様の肝臓を守り、生活の質を向上させるためのサポートを行っております。

健康診断での数値の異常や、肝臓に関するご不安がある方は、手遅れになる前にぜひ一度、お気軽にご相談ください。

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。