- 2026年10月7日
お酒好き必見!肝臓病専門医が教える「健康にお酒と付き合う」最新テクニック

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
お酒は楽しみたいけれど、翌日の二日酔いや健康診断の数値が気になる…。
そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
「とりあえず生!」で乾杯し、ついつい飲み過ぎてしまう夜を過ごしていませんか?
今回は、肝臓病専門医の視点から、肝臓を守りながらお酒と上手に付き合うための最新の飲み方テクニックをご紹介します。
■ 休肝日翌日のドカ飲みは意味ナシ!重要なのは「純アルコール量」

「休肝日を作ったから、翌日はたくさん飲んでも大丈夫」という考え方は間違いです。大切なのは頻度よりも、体に取り入れる純アルコールの総量です。
厚生労働省の基準などでは、生活習慣病のリスクを高めない1日の適正な純アルコール量は約20g(※女性や高齢者、お酒に弱い方はその半分程度)とされています。純アルコール20gをお酒に換算すると以下のようになります。
| ・ビール:中ジョッキ1杯(約500ml) ・日本酒:1合(約180ml) ・ワイン:グラス1杯強(約200ml) ・チューハイ(7%):レギュラー缶1本(350ml) |
一方で、1日純アルコール40g(ビール2本程度)、さらに60g(ビール3杯、日本酒3合など)を超えて飲み続けると、アルコール性脂肪肝や肝炎のリスクが跳ね上がります。まずは自分が1回の飲み会でどれくらいのアルコール量を摂取しているか、一度計算してみることをおすすめします。
■ スタートダッシュは厳禁!「とりあえず生」を回避するコツ

喉がカラカラの状態で駆けつける最初の1杯は最高ですが、早いピッチでお酒を流し込むと、その日一晩で飲む総量が増えがちになってしまいます。飲み始めの工夫として、以下の対策が有効です。
最初の1杯は「ノンアル・微アル」にする
人が最初に求めているのはアルコールそのものよりも「爽快感や喉ごし」です。最近のノンアルコール飲料や無糖の炭酸水はクオリティが高いため、一口目で喉を潤す目的なら十分代用できます。
ゆっくりスタートする
お酒の量を抑えるためには、スタート時のピッチを意識的に落とすことが大切です。15〜20分に1杯を目安にすると、肝臓の処理が追いつきやすくなります。
空腹で飲まない
胃が空のままだとアルコールの吸収が急激に早まってしまいます。お酒を飲む直前や飲み始めの段階で、胃に滞留しやすいタンパク質・食物繊維を含むおつまみをお腹に入れましょう。
【おすすめメニュー】

枝豆、魚のお刺身・カルパッチョ、冷奴、納豆
※唐揚げなどの揚げ物も吸収を遅らせますが、脂質とカロリーが高く脂肪肝の原因になるため食べ過ぎには注意が必要です。
■ 二日酔い・悪酔いを防ぐ最強の味方「お水」

お酒の種類によって翌日に残りやすいと感じる方もいますが、医学的には「どれだけ純アルコールの総量を飲んだか」が最も大きく影響します。なお、度数の高い蒸留酒をストレートで飲むと食道や胃の粘膜を直接傷めるため、必ず水割りやロックでゆっくり飲みましょう。
また、悪酔いや二日酔いを防ぐ最大の鍵は「水分補給」です。アルコールには強い利尿作用があり、例えばビールを1リットル飲むと、体内からは約1.1リットルの水分が失われて脱水症状を引き起こします。水分が不足すると肝臓の代謝機能が落ち、毒素であるアセトアルデヒドの排泄が遅れ、頭痛や吐き気の原因になります。

お酒を飲むときは「同量以上の水や麦茶(カフェインの入っていないもの)を合間に挟む」ことを徹底してください。寝る前にコップ1杯の水を飲む習慣も、翌朝の脱水予防に非常に効果的です。
■ よくあるご質問 Q&A

Q1. サプリや肝臓ドリンクを飲めば、多少飲み過ぎても大丈夫ですか?
A. 残念ながら、そのような考え方は非常に危険です。ウコンやシジミエキスなどのサプリメントは、アルコールの分解を劇的に早めるエビデンスはありません。それどころか、ウコンなどのサプリメントを過剰摂取したことで肝臓に炎症が起きる「薬剤性肝障害」の事例が医療現場では多数報告されています。さらにその肝障害が悪化して劇症肝炎に発展することもあります。まずは基本に立ち返って、アルコール量を減らすことが唯一の予防策です。
Q2. 健康診断でγ-GTP(ガンマGTP)が高いと言われました。お酒をやめれば下がりますか?
A. はい、アルコールが原因であれば、2週間〜1ヶ月程度の禁酒・節酒で数値が大きく下がることが多いです。ただし、γ-GTPはアルコールだけでなく、食べ過ぎ・運動不足による脂肪肝(MASLD)や、胆道疾患、常用薬の副作用などでも上昇します。お酒を控えても下がらない場合や、数値が気になる場合は自己判断せず、一度肝臓病専門医にご相談ください。
Q3. 「週に2日の休肝日」を守っていれば安心ですか?
A. 休肝日は肝臓を休めるうえで大切ですが、「休肝日2日+残り5日は大量飲酒」では意味がありません。また、休肝日は1日ずつバラバラに取るよりも、「できれば連続した2日間」お酒を抜く方が、傷ついた肝細胞が十分に修復されるため効果的です。飲む日のアルコール量も適正範囲に抑え、週単位の純アルコール総量をコントロールしましょう。
Q4. 飲んだ翌日、脂っこいラーメンなどを食べると楽になる気がしますが、体に良いのですか?
A. 胃腸や肝臓への負担を考えると、翌日の脂っこい食事は控えるべきです。アルコール処理で疲弊した消化器を休ませるため、消化の良いおかゆ、スープ、豆腐、うどんなどを選びましょう。また、水分と塩分(お味噌汁やスポーツドリンクなど)を補給し、まずは脱水から回復させることを最優先にしてください。
Q5. お酒を飲むと顔がすぐ赤くなります。これは肝臓が弱いということですか?
A. 顔が赤くなるのは、アルコールが分解される過程で生じる有害物質「アセトアルデヒド」を分解する酵素(ALDH2)の働きが遺伝的に弱いためです。日本人の約4割がこの体質を持っています。
アセトアルデヒドには強い毒性と発がん性があり、赤くなりやすい方が飲酒を続けると、食道がんや頭頸部がんのリスクが跳ね上がることが分かっています。「飲み続ければ強くなる」というのは感覚が麻痺しているだけで、体へのダメージは蓄積しています。赤くなりやすい方は、飲酒量・頻度を意識的に減らすことが極めて重要です。
■ 院長の専門知見:日常的にお酒を嗜む方の精密なデータ評価
習慣的にお酒を飲む方が肝がんなどを発症していないかスクリーニングする方法として、血液検査による腫瘍マーカー(肝がんマーカー)があります。しかし、従来の肝がんマーカー(PIVKA-II)はアルコールの影響で偽陽性(実際にはがんがないのに高値が出る)を示しやすいという課題がありました。
私は、アルコールの影響を受けにくい新しい腫瘍マーカー「NX-PVKA-R」の有用性に関する研究成果を国際医学雑誌で発表しており、お酒を好む方の肝臓の状態をより緻密・正確に分析する体制を整えています。
※出典:
■ まとめ:今日から実践できる「肝臓にやさしいお酒の飲み方」5か条

肝臓病専門医として、長く健康にお酒を楽しむためのポイントを5つにまとめてみました。
| 1.日の純アルコール量は20g(女性や高齢者は10g)を目安にする 飲み始めの 2.杯はノンアルや低アルに切り替えて、ピッチを落とす 3.空腹でお酒を飲まない(タンパク質・食物繊維を先に摂る) 4.チェイサー(水やカフェインレスのお茶)をアルコールと同量以上挟む 5.週2日以上(できれば連続2日間)の休肝日を設ける |
お酒は人生を豊かにしてくれるものですが、肝臓は痛みを感じない「沈黙の臓器」です。自覚症状が出たときには、すでに病気が進行してしまっていることも少なくありません。
神戸市西区のさいとう内科クリニックでは、血液検査や腹部超音波(エコー)検査、超音波エラストグラフィー検査を用いて、お酒による肝臓のダメージや脂肪肝・線維化の状態を正確に診断いたします。「健診で肝臓の数値の異常を指摘された」「最近お酒が抜けにくい」という方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
- 院長
- 斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology - 所在地
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり) - 電話
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- 電話:078-967-0019
- 携帯電話:080-7097-5109
- アクセス
- 当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。
