- 2025年9月11日
肝硬変は「もう治らない」病気ではない。幹細胞治療がもたらす新たな希望とは

従来の肝硬変治療は、病気の進行を遅らせ、症状を緩和することが主な目的でした。一度硬くなってしまった肝臓を元の状態に戻すことは困難とされ、多くの患者さんが「これ以上良くならない」という不安を抱えてきました。
従来の治療の限界と課題
肝硬変の根本的な原因(ウイルス性肝炎、アルコール、脂肪性肝障害など)に対しては、それぞれ抗ウイルス薬、禁酒、食事・運動療法といった標準治療が行われます。また、腹水や肝性脳症といった合併症に対しては、利尿剤や食事療法、薬物療法などで対処してきました。
しかし、これらの治療はあくまで対症療法であり、肝臓自体の線維化を根本的に改善することは難しいのが現状です。唯一の根治療法として知られる肝移植も、ドナー不足、高額な医療費、手術に伴うリスクといった大きな課題があります。特に、高齢の患者さんや全身状態が優れない患者さんにとっては、現実的な選択肢とは言えませんでした。
幹細胞を用いた再生医療がもたらす新たな可能性

こうした従来の治療の限界を打ち破る可能性を秘めているのが、幹細胞を用いた再生医療です。幹細胞は、様々な細胞に分化する能力と自己複製能力を持つ特殊な細胞です。この幹細胞を患者さん自身の体から採取し、培養して点滴で投与することで、以下の効果が期待できます。
- 肝臓の炎症を抑制し、線維化の進行を抑制・改善:幹細胞が肝臓の炎症を鎮め、肝臓が次々と壊れて硬くなっていくのを停止させます。そしてさらに、硬くなった肝臓の組織を柔らかくする手助けをします。
- 残存する肝細胞の機能向上:肝臓に残っている健康な細胞を活性化させ、本来の機能を高めることで、肝臓全体の機能回復を促します。
この治療は、患者さん自身の脂肪組織から幹細胞を採取・培養して使用するため、拒絶反応のリスクが極めて低いのが特徴です。特に、従来の治療では改善が難しかった非代償性肝硬変の患者さんにおいて、肝機能の数値の改善や、体力やQOL(生活の質)の改善、肝性脳症の改善といった効果が報告されており、その有効性が注目されています。
さいとう内科クリニックの専門性

当院の院長は、日本肝臓学会認定の肝臓病専門医であり、超音波専門医でもあります。長年にわたり、数多くの肝臓病患者さんと向き合ってきた経験から、従来の標準治療だけでは解決できなかった課題に対し、この幹細胞を用いた再生医療という新たな選択肢を提供しています。
患者さん一人ひとりの状態を正確に診断し、従来の標準治療と再生医療を組み合わせた最適な治療プランを提案することで、「もう治らない」と諦めていた患者さんに、再び希望の光を届けることを目指しています。
治療の費用と期間について

肝臓再生医療は、保険適用外の自由診療となります。初回の費用は、脂肪生検と幹細胞点滴で330万円(税込)を要しますが、年間200万円までは医療費控除の対象となる場合もあります。詳細は当院までお問い合わせください。
治療効果には個人差がありますが、一般的にはすぐに効果が現れるわけではなく、半年から1年かけて徐々に改善が見られることが多いです。焦らず、じっくりとご自身の体と向き合うことが大切です。
諦める前に、まずは専門医にご相談ください
「すでに肝硬変と診断されている方」はもちろん、「肝硬変と診断される前の、最適なタイミングで対策を始めたい方」にも、幹細胞を用いた再生医療は有効な選択肢となり得ます。
当院では、遠方にお住まいの方や忙しい方のために、オンラインでの事前相談を受け付けております。ご自身の肝臓の状態について、専門医に一度相談してみませんか?ご家族からのご相談も受け付けております。
こんな事聞いていいのかなと躊躇なさらず、お気軽にお問い合わせください。