- 2025年9月1日
- 2025年9月2日
再生医療の安全性について:さいとう内科クリニックが肝臓再生医療にかける想い

近年、再生医療は様々な疾患への新たな希望として注目されています。一方で、先日報じられた他院における再生医療での予期せぬ事故のニュースは、皆様に大きな不安を与えたことと存じます。
▼参考)
Yahoo! 自由診療の細胞投与で患者死亡 東京のクリニックに業務停止命令
私たちさいとう内科クリニックでは、こうした皆様の不安なお気持ちを真摯に受け止め、肝臓再生医療が持つ真の可能性と安全性を正しくお伝えすることが重要だと考えております。報道された事故は慢性疼痛に対する治療であり、当院の肝臓再生医療とは目的が異なります。しかし、患者様ご自身の細胞を用いるという点では共通しています。ご自身の体の一部を使う治療だからこそ、ご不安に思われるのは当然のことです。だからこそ、当院の安全性への取り組み、そして肝臓再生医療に対する専門医としての姿勢を明確にお伝えしたいと思います。
さいとう内科クリニックが提供する肝臓再生医療の高い安全性と専門性
当院の肝臓再生医療は、以下の点で安全性の確保に努めております。
ご自身の細胞を使う、アレルギーリスクの極めて低い治療

当院の肝臓再生医療は、患者様ご自身の臀部(お尻)の皮下脂肪から採取・培養した幹細胞(自己脂肪由来間葉系幹細胞)を使用します。臀部(お尻)からの脂肪生検では痛みや出血はごくわずかです。また、ご自身の細胞を用いるため、拒絶反応やアレルギー反応が起こるリスクが極めて低いという大きな特長があります。
国の厳格な基準をクリアした治療計画

当院は、国の定めた「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、第二種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し、受理された医療施設です。これは、治療の安全性と適正性が国の厳格な審査基準を満たしていることの証です。
肝臓病専門医による一貫した管理体制

院長である斉藤雅也は、日本肝臓学会の肝臓病専門医であり、長年にわたり肝疾患治療の最前線に立ってきました。肝臓に関する深い知識と豊富な経験に基づき、患者様一人ひとりの状態を精緻に診断し、治療の全プロセスを責任を持って慎重に管理しています。
医療法人社団好也会 さいとう内科クリニック
院長 斉藤雅也 / 日本肝臓学会 肝臓病専門医
安心をお届けする、当院の肝臓再生医療の具体的なプロセス
当院では、患者様に安心して治療を受けていただくため、以下のプロセスで肝臓再生医療を実施しています。
診断と治療計画の策定
まず、肝臓病専門医が患者様の病状や治療歴を詳細に確認し、血液検査、腹部超音波検査、肝硬度測定などにより肝臓の状態を評価します。その上で、肝臓再生医療が患者様にとって適切であるかを慎重に判断し、治療内容や期待される効果、考えられるリスクについて時間をかけて丁寧に説明し、十分にご納得いただいた上で治療に進みます。
脂肪組織の採取
患者様の臀部(お尻)に局所麻酔を行い、約5mmの小さな切開から脂肪組織を採取します。処置時間は10分から15分程度と短く、麻酔により痛みは最小限に抑えられます。こまめな圧迫止血や止血凝固処置により、出血を最小限に抑えるよう細心の注意を払っています。今までの経験上、出血量は軽微に留まっています。
専門施設での厳格な管理下における幹細胞の培養
採取した脂肪組織は、国の基準を満たした専門の細胞培養施設に送られます。そこで幹細胞だけを取り出し、約1ヶ月の時間をかけて安全な環境で培養し、治療に必要な数まで増やします。
安全性を最優先した幹細胞の点滴投与
増殖させた幹細胞は、生理食塩水に混ぜて、点滴によって患者様の腕の血管からゆっくりと体内に戻します。投与にかかる時間は90分程度です。
特に、過去に報告された肺塞栓症の事例を踏まえ、当院では1回あたりの幹細胞数を2億細胞未満とし、十分量の生理食塩水に混ぜてゆっくりと点滴することで、肺塞栓症などの重篤な副作用を防ぐための厳格な対策を講じております。
治療後のきめ細やかな経過観察
治療後も、定期的な診察や血液検査などを通じて、治療の効果や体調の変化などをきめ細かく確認し、患者様をしっかりとフォローアップいたします。
当院の再生医療の実績と期待される効果

当院では2024年8月22日に、非代償性肝硬変(Child-Pugh分類13点という重症度の高い状態)の患者様に、初めて幹細胞点滴を実施いたしました。脂肪組織採取時の皮下出血は軽微であり、点滴中およびその後の経過観察においても、深刻な副作用やトラブル(有害事象)は一切見られませんでした。
治療後の経過観察において、本患者様には身体活動性の向上や日常生活動作の改善が認められました。また、肝性脳症の再発は見られず、QOL(生活の質)の向上が示唆される結果となりました。
その後の別の患者様でも、同様に、肝炎の改善、肝機能の改善がみられており、前向きなデータが得られてきています。
肝臓再生医療は、「絶対に治る万能薬」ではありません。効果には個人差があり、高額な自由診療(施術料:330万円/回(税込))となります。しかし、幹細胞が持つとされる力(ホーミング効果、抗炎症作用、線維化抑制作用、組織修復促進作用)により、従来の治療では難しかった肝機能の改善や肝硬変の進行抑制、そしてQOLの向上が期待できます。
当院は、肝炎や肝硬変の患者様が「もう治らない」と諦めることなく、希望を持って治療に臨める未来を築くため、標準治療を充実し、肝臓再生医療という新たな選択肢を提供することに尽力してまいります。
あなたの未来のために、まずはご相談ください

肝臓再生医療についてご不明な点やご不安な点がございましたら、どうぞお一人で抱え込まず、当院までお気軽にご相談ください。当院では、オンライン診療システム「Curon(クロン)」を利用した事前相談も受け付けておりますので、遠方にお住まいの方や来院が難しい方も、まずはご自宅から肝臓病専門医にご相談いただくことが可能です。ご本人様はもちろん、ご家族からのご相談も心よりお待ちしております。
あなたの肝臓の健康を守り、より良い生活を送るための一歩を、私たちと共に踏み出しませんか。