- 2026年3月11日
【肝臓病専門医が解説】成人の3割が「脂肪肝」!?新名称MASLDと「スクワット」で肝臓脂肪を燃やす方法

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。
あなたは、「お酒は飲まないから、肝臓は大丈夫」と思っていませんか?
実は現在、成人の健診受診者の25~30%、つまり3〜4人に1人は脂肪肝だと言われています。特に男性に多い傾向がありますが、女性も更年期を過ぎるとホルモンバランスの変化により急増するため注意が必要です。
今回は、最近名前が変わった脂肪肝の新しい常識「MASLD(マッスルディー)」と、今日からできる改善法についてお伝えいたします。
1.「NAFLD」から「MASLD」へ。名前が変わった理由

これまで、お酒を飲まない人の脂肪肝は「NAFLD(ナッフルディー)」と呼ばれていました。
しかし、「アルコール(Alcoholic)」や「脂肪(Fatty)」という言葉が含まれることで患者さんに偏見を与えかねないという理由から、2023年6月に「MASLD(マッスルディー:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」という病名に変更されました。
名前は変わっても、その怖さは変わりません。
MASLDを放置すると、肝硬変や肝がんのリスクが高まるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中といった心血管イベントのリスクも上昇することがわかっています。
2.日本人は「3〜5%」の減量でOK?

脂肪肝の治療の基本は体重を減らすことです。
米国肝臓学会のガイドラインでは「7〜10%の減量」が必要とされていますが、これは欧米人の基準です。
実は日本人は、遺伝子(PNPLA3)の影響で、太っていなくても脂肪肝になる「痩せ型脂肪肝」の人が多いのが特徴です。
そのため、BMIが25未満(標準体重)の方であれば、「3〜5%の減量」で脂肪肝の改善効果が期待できるという新しい基準が推奨されています。
- 体重60kgの方なら、マイナス1.8kg〜3kg
- 体重50kgの方なら、マイナス1.5kg〜2.5kg
これなら、無理なく達成できそうではありませんか?
3.「スクワット」が肝臓の脂肪を溶かす!

運動療法としては「毎日6000歩」などの有酸素運動が良いとされていますが、忙しくて時間が取れない方におすすめなのが「筋トレ」です。
特に効果的なのが「スクワット」です。
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を収縮させると、筋肉から「マイオカイン」というホルモンが放出されます。このマイオカインには、肝臓の脂肪を燃焼してくれるという驚くべき働きがあるのです。
「筋トレをしたら体重が増えた」と心配になる方がいますが、筋肉は脂肪より重いため、体重が減っていなくても肝臓の脂肪は減っている可能性があります。体重計の数字だけに惑わされず、筋肉をつけることを意識してください。
まとめ:特効薬が出るその前に

現在、MASLDに対する特効薬はまだ日本にはありません。しかし、糖尿病治療薬などが脂肪肝炎(MASH)に有効であるというデータも出てきており、近い将来の使用が期待されています。
とはいえ、基本はやはり「食事」と「運動」です。
薬を待つのではなく、まずは通勤時に階段を使ったり、お風呂上がりにスクワットをしたりと、できることから始めてみましょう。
食事や運動で改善が見られない場合や、すでに肝臓の線維化が進んでしまっている場合には、当院の「肝臓再生医療」も選択肢の一つとなります。
健康診断の結果が気になった方は、放置せずにぜひ肝臓病専門医にご相談ください。
- 院長
- 斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology - 所在地
- 〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり) - 電話
-
- 電話:078-967-0019
- 携帯電話:080-7097-5109
- アクセス
- 当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。
