• 2026年3月17日
  • 2026年5月1日

最近の再生医療に関する報道と、当院の幹細胞治療における安全管理体制について

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

3月13日に公表された再生医療関連の事案において、亡くなられた方へ謹んで哀悼の意を表します。

当院では、再生医療を検討されている患者様に安心して治療に臨んでいただけるよう、今回の事案の背景と考えられる要因と、当院が徹底している安全管理体制についてご説明いたします。


幹細胞の静脈投与における「血管塞栓」のリスク

2026年3月12日、厚生労働省より「細胞加工物を静脈経由で全身投与する場合、致死性の肺塞栓や不整脈等のリスクがある」との注意喚起が発出されました。 脂肪由来の幹細胞の表面には、「Tissue Factor(CD142)」と呼ばれる血液凝固反応(フィブリンの形成)を強く誘発する因子が高発現しやすい特徴があります。この細胞を静脈から投与すると、血管内で血栓ができやすくなり、肺塞栓などの重大な事故につながる危険性が学会等でも指摘されています。 特に、患者様ご自身の血液成分である「自己血清」などを用いて培養を行うと、この凝固関連マーカー(CD142)に悪影響を与え、塞栓リスクをさらに高める可能性が示唆されています。


■ 当院および提携培養施設(CZEN CLINIC Cell Processing Center社)の安全管理体制

当院では、過去の事例や最新の科学的知見に基づき、幹細胞の培養を委託しているCZEN CLINIC Cell Processing Center社(施設番号:FC3250051)と共に、血管塞栓リスクを極限まで抑えるための徹底した品質管理を行っています。

  1. 自己血清を使用しない特殊培地(XF培地)の採用 当院の幹細胞培養では、血栓形成の引き金となるリスクが懸念される「自己血清」や「牛胎児血清(FBS)」を使用していません。CZEN CLINIC Cell Processing Center社が開発した専用の「XF(Xeno-Free)培地」を使用することで、血液凝固時間を大幅に延長させ、血栓ができにくい状態を実現しています。
  2. 動物実験(ラット)で実証された「臨床投与量での生存率100%」という安全性 CZEN CLINIC Cell Processing Center社の検証データによれば、実際の治療で用いられる投与量(ヒト換算で1.5億〜3億個)に相当する量を投与した安全性試験において、すべての個体が元気に生存(生存率100%)し、腫瘍の発生などの異常は一切認められませんでした。 また、通常の数百倍にあたる極端な過量投与(ヒト換算で約60億個)を行った過酷なストレステストにおいても、従来の血清(FBS)を用いた場合は全例が肺塞栓等で死亡(生存率0%)したのに対し、当院が採用するXF培地では塞栓の発生を極限まで防ぐことができたと実証されています。
  3. 悪玉細胞(CD142陽性細胞)の徹底管理 肺塞栓のリスクを高める悪玉細胞であるCD142(Tissue Factor)の凝固誘発性を厳格に評価し、培養条件を最適化することで、危険な細胞の投与を防ぐ体制を構築しています。

当院が提携しているCZEN CLINIC Cell Processing Center社の安全対策の考え方は、現在、国家レベルで再生医療の導入を進めているベトナム政府からも高く評価され、制度設計のコンペティションにおいて招聘を受けるなど、国際的にも信頼される基準となっています。

当院はこれからも、科学的根拠に基づいた最善の安全対策を取り入れ、患者様に信頼いただける再生医療を提供してまいります。

この記事の監修・執筆者

さいとう内科クリニック
院長:斉藤 雅也 Masaya Saito

  • 日本内科学会認定医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本超音波医学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
院長 斉藤雅也 Masaya Saito

神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行っています。
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さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。