• 2025年3月12日
  • 2025年10月6日

幹細胞点滴治療による経過報告:非代償性肝硬変の患者様の改善例

2024年8月22日、非代償性肝硬変(Child Pugh 13点)と診断された患者様に、初めての幹細胞点滴を実施しました。患者様はこれまで極度の体力低下により外出が困難な状況にありましたが、治療後、徐々に生活の質が向上していることが確認されています。

幹細胞点滴後の経過

6月に行った臀部の脂肪組織採取時には、皮下出血などの合併症は見られず、8月の幹細胞点滴施行時およびその後の経過観察においても有害事象は報告されませんでした。9月に入ってからも特に副作用は確認されておらず、安全性の面でも良好な結果が得られています。

生活の質の向上

幹細胞点滴前、患者様は長期間にわたり外出が困難な状態でした。しかし、点滴後約2週間が経過した9月初旬頃より、以下のような生活の変化が見られました。

移動能力の向上

  • 以前はほぼ車椅子での生活をされていましたが、階段を上ることができるようになりました。
  • 散髪に行く際も、駐車場から歩いて店舗まで移動できるようになりました。
  • 選挙時には、投票所まで自ら歩いて行くことが可能になりました。

日常生活での自立度の向上

  • 以前はご家族が代筆していた書類の記入が、ご自身でできるようになりました。
  • 納屋の整理を自主的に行い、不要な書類をシュレッダーにかけたり、まとめて搬出したりすることができました。
  • お茶を自分で淹れて飲むなど、日常的な動作においても自立度が向上しています。

脳症症状の改善

  • 治療前は便の回数が減るとすぐに肝性脳症が出現していましたが、幹細胞点滴施行後は脳症の発生が一度も認められていません。
  • 6月・7月にはそれぞれ1回ずつ脳症が見られましたが、8月の治療以降は発症していないという顕著な変化が見られています。

今後の経過観察

患者様は治療を通じて、身体機能だけでなく精神的な面でも前向きな変化が見られています。これまで「もう無理だ」と諦めるような発言が多かったものの、治療後は積極的な姿勢が目立つようになりました。

当クリニックでは、今後も定期的に患者様の経過を観察し、幹細胞点滴治療の安全性および有効性を慎重に評価してまいります。

さいとう内科クリニック
院長 斉藤雅也

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この記事の監修・執筆者

さいとう内科クリニック
院長:斉藤 雅也 Masaya Saito

  • 日本内科学会認定医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本超音波医学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
院長 斉藤雅也 Masaya Saito

神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行っています。
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さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
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〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
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