• 2026年5月27日

肝臓の数値(ALT・γ-GTP)が慢性的に高い状態を放置する危険性と、手遅れになる前の対策

健康診断の結果を受け取った際、「ALT(GPT)」や「γ-GTP」の項目に再検査の判定が出ていても、「お酒を飲みすぎたかな」「最近忙しくて疲れているからだろう」と、そのまま放置してしまっていませんか?

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなりのダメージを受けても自覚症状がほとんど出ません。肝臓の数値が高い状態が慢性的に続くということは、肝臓が休む暇なく壊され続けているという、身体からの緊急サインです。

今回は、肝臓の数値が慢性的に高い状態を放置する真の危険性と、手遅れになる前に肝臓病専門医が推奨する「確実な一歩」について解説します。

■ ALTやγ-GTPが高いまま放置するとどうなるのか?

そもそも、これらの数値は何を意味しているのでしょうか。

ALT(GPT)は肝臓の細胞内に存在する酵素であり、数値が高いということは「今まさに肝細胞が壊れ、血液中に中身が漏れ出している」ことを意味します。また、γ-GTPはアルコールだけでなく、肝臓に脂肪が溜まることでも上昇します。

この「肝細胞が壊れ続ける状態(慢性肝炎)」を数ヶ月、数年と放置すると、以下のような取り返しのつかない段階へと進行します。

・肝臓の線維化(硬くなること)

炎症が続くと、肝臓は傷を修復しようとして「コラーゲン(線維)」を過剰に蓄積し、スポンジのように柔らかかった肝臓が徐々に硬くなっていきます。これが「肝硬変」への入り口です。近年は、お酒を飲まない方でも糖質過多などから進行するMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)が急増しており、注意が必要です。

・一度失った「柔らかさ」は戻りにくい

肝硬変にまで進行してしまうと、現在の標準治療では元の健康な肝臓に戻すことは極めて困難になります。

・肝がんの発症リスク

慢性的な炎症は、細胞のコピーミスを引き起こし、肝がんを発生させる温床となります。

「自覚症状がないから大丈夫」という自己判断が、最も危険な「手遅れ」を招く原因なのです。

血液検査だけでは不十分?「超音波(エコー)検査」の重要性

血液検査の数値は、あくまで「今、どれくらい細胞が壊れているか」を示す瞬間のデータに過ぎません。肝臓そのものがどのような状態にあるのかを正確に把握するには、画像診断が不可欠です。

当院の院長は、「日本超音波医学会認定 超音波専門医」としての高度な技術と経験を持っています。

血液データと精密なエコー検査を組み合わせることで、肝臓が白く光って見える脂肪肝の状態なのか、それとも表面がいびつに凸凹し始めている線維化のサインがあるのか、数値の裏側に隠された「肝臓の本当の姿」を瞬時に読み解きます。この正確な診断こそが、治療の成否を分けます。

肝臓病専門医が推奨する「数値改善」へのロードマップ

1.徹底した原因追及

アルコール、糖質の摂りすぎ、あるいはウイルス性肝炎など、肝臓の数値が高い根本的な原因をエコー検査と血液検査から特定します。

2.科学的根拠に基づいた栄養サポート

肝臓の修復には適切な栄養が必要です。当院の院長は、BCAAを補給することで、エネルギー代謝(非蛋白呼吸商)が有意に維持・改善することを国際医学誌で報告しています。(出典:Intern Med 2014; 53(14):1469-75

また、L-カルニチンを補給することで、肝性脳症が有意に改善することも報告しています。

(出典:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224

こうした国際的な研究実績に基づき、一人ひとりの代謝に合わせた最適な食事・アミノ酸などの栄養指導を行います。

3.進行している場合でも「再生医療」を検討できます

もし、すでに肝機能が低下し、線維化が進んでいると診断された場合でも、諦める必要はありません。当院では最新の「肝臓再生医療(幹細胞治療)」を提供しており、細胞レベルから肝臓の炎症を鎮め、硬くなった組織の修復と機能回復を目指すアプローチが可能です。

まとめ:数値は「未来の健康」を映すアラートです

健康診断の数値が語っているのは、今の疲れではなく、10年後、20年後のあなたの肝臓の姿です。「あの時、検査を受けておけばよかった」と後悔する前に、まずは肝臓病専門医にご相談ください。

正確な診断と適切な対策さえあれば、肝臓の未来は変えることができます。

今の治療に「限界」を感じて諦めていませんか?

日々の診療の中で、「これ以上、今の標準治療だけでは肝機能を回復させることが難しい」と告げられ、流れに身を任せて諦めかけている患者様を数多く診てきました。また、余命宣告を受け、絶望の淵に立たされている患者様も大勢おられます。

しかし、まだできることはきっと残されています。

さいとう内科クリニックでは、標準治療ではカバーしきれない進行した肝炎・肝硬変の患者様を少しでもサポートしたいという強い思いから、新たな治療選択肢として「幹細胞を用いた肝臓再生医療」を提供しています。当院では、年齢が80歳と超高齢であっても、黄疸や腹水、脳症を有する重度の肝硬変であっても、幹細胞点滴を安全に実施できています。また、このような患者様に幹細胞点滴を行うことにより、即効性はありませんが、半年から1年かけて肝臓の数値の改善や倦怠感、腹水の改善がみられるケースを多数経験しています。肝臓再生医療を行わず、標準治療単独であれば、すぐに肝不全へと進展してもおかしくない肝臓の状態だったので、肝臓再生医療そのものの奥深さを痛感しています。

「もう打つ手がないのだろうか」と一人で抱え込まず、まずは当院にご相談ください。遠方の方やご来院が難しい方でも、ご自宅からお話しいただける「オンライン事前相談」を受け付けております。パソコンやスマホの操作が難しい方は、お電話にてお問い合わせいただいても構いません。院長の外来診療がひと段落しましたら、電話をかけ直させていただきます。

この記事の監修・執筆者

さいとう内科クリニック
院長:斉藤 雅也 Masaya Saito

  • 日本内科学会認定医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本超音波医学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
院長 斉藤雅也 Masaya Saito

神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行っています。
≫ 詳しい経歴や全研究実績はこちら

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。