• 2026年5月18日

【肝臓病専門医が解説】お酒を飲まない若い女性に急増中!何をしても痩せない正体は「隠れ脂肪肝(MASLD)」だった

こんにちは。
神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「ダイエットを頑張っているのに、なかなか体重が落ちない」

「お酒は飲まないし、体型も太っていないはずなのに……」

そんな悩みをお持ちの方、実はあなたの肝臓が「ブヨブヨ」になっているかもしれません。今、お酒を飲まない若い女性の間で「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」と呼ばれる新しいタイプの脂肪肝が急増しています。今回は、現代人を脅かす“新・脂肪肝”の実態と、代謝を上げて痩せ体質を取り戻すための対策をお伝えします。

日本人の3人に1人が脂肪肝!?

脂肪肝とは、肝臓に過剰な中性脂肪が溜まった状態を指します。かつては「お酒好きの男性の病気」というイメージでしたが、現在は日本人の約3人に1人が脂肪肝と言われる時代。特に注目されているのが、アルコール以外の「代謝異常」が原因で起こるMASLD(マッスルディー)です。

【隠れ脂肪肝チェックリスト】

□ ほぼ毎日フルーツを食べている
□ 朝食を抜くことが多い
□ 間食に甘い食べ物や飲み物(清涼飲料水など)を摂る
□ 昼食は麺類だけで済ませることが多い
□ 食事の時間が10分以内の「早食い」である
□ 筋力が衰えた、または運動不足を感じる

なぜ「隠れ脂肪肝」になると痩せないのか?

肝臓は体の中で最も大きな「代謝の工場」です。しかし、肝臓に脂肪が溜まると工場の稼働率が著しく低下し、エネルギーを消費できず脂肪を溜め込む「負のスパイラル」に陥ります。

【肝臓病専門医の視点:見た目よりも「内臓脂肪」】

見た目は痩せていても内臓脂肪が蓄積している「隠れ肥満」は、肝臓に深刻なダメージを与えます。私の研究では、内臓脂肪の蓄積が多いほど、その後の生存率や予後に悪影響を及ぼすことを明らかにしました。体重の数字以上に「肝臓の脂肪」をコントロールすることが、健康と美しさを守る鍵となります。(出典:J Cancer Ther 2015; 6: 1124-1136

専門医が教える!肝臓を洗い流す5つのTIPS

1.起床後すぐの歯磨き

就寝中に増殖した菌が体内に入ると、肝臓に炎症を起こし脂肪を溜め込みやすくなります。

2.食前の「高カカオチョコ」または「お酢」

血糖値の急上昇を抑え、肝臓への負担を軽減します。

3.「あと10回」多く噛む

早食いは脂肪合成ホルモンを大量に分泌させます。ゆっくり食べるだけで代謝は変わります。

4.「スクワット」で第2の肝臓(筋肉)を鍛える

筋肉量は基礎代謝に直結します。

【肝臓病専門医の深掘り:筋肉の代謝をサポートする】

私は臨床研究により、BCAA(アミノ酸)を補給し筋肉の代謝をサポートすることで、全身のエネルギー代謝が有意に改善することを報告しています。効率よく痩せるためには、運動と適切な栄養補給が医学的にも不可欠です。(出典:Intern Med 2014; 53(14): 1469-75

  • 無理なダイエットをしない

極端な絶食は、逆に肝臓に脂肪を溜め込もうとする「低栄養性脂肪肝」を招くリスクがあります。

「放置」が一番の禁物です

もし健康診断の結果が手元にあるなら、「ALT(GPT)」の数値を見てください。基準値内であっても、「16」を上回っていたら「隠れ脂肪肝」の疑いがあります。

【肝臓病専門医の警鐘:数値が正常でも安心できない】

脂肪肝は肝臓の数値が正常範囲内であっても進行しているケースが少なくありません。私は、血液中の新しいマーカー(NX-PIVKA-II)を用いることで、従来の検査では見逃されがちな肝臓の「硬さ(線維化)」を予測できる可能性を提唱しています。また、肝硬度測定を行うことで、リアルタイムでの肝臓の硬さを評価しています。肝臓病専門医による多角的な診断こそが早期発見の鍵です。(出典:Hepat Mon 2015; 15(2): e22978

■肝臓病専門医からのメッセージ

当院では、脂肪肝の精密な診断はもちろん、進行したケース(MASH)に対しては、ご自身の脂肪由来幹細胞を用いた「肝臓再生医療」という選択肢も提供しています。これは、硬くなった肝臓を細胞レベルから根本的に修復(フルリノベーション)しようという試みです。

「痩せにくくなった」と感じるのは、肝臓からのSOSサインかもしれません。手遅れになる前に、ぜひ一度肝臓病専門医にご相談ください。あなたの肝臓を、再び「活気のある代謝工場」へと戻していきましょう。

■ 隠れ脂肪肝が心配な方へ

当院では、最新のエビデンスに基づいた食事指導や、肝臓の状態を詳しく調べる精密検査を行っています。「ALT(GPT)」の数値が「16」を上回っている方は「隠れ脂肪肝」の可能性があります。一人で悩まず、まずは当院にご相談ください。オンライン事前相談も受け付けていますので、気軽にご相談ください。

この記事の監修・執筆者

さいとう内科クリニック
院長:斉藤 雅也 Masaya Saito

  • 日本内科学会認定医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本超音波医学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
院長 斉藤雅也 Masaya Saito

神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行っています。
≫ 詳しい経歴や全研究実績はこちら

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。