• 2026年5月18日

再生医療を受けるまでの流れ——初診から「肝臓フルリノベーション」開始まで

こんにちは。

神戸市西区のさいとう内科クリニック院長の斉藤雅也です。

「再生医療に興味はあるけれど、具体的にどんなステップを踏むのか不安」「高い費用を払う価値があるのか、納得してから決めたい」

再生医療は、従来の保険診療とは異なるプロセスが必要です。当院では、患者様が抱える不安を一つずつ解消し、医学的エビデンスと法的な安全性に基づいた「納得のいく治療」を提供するため、以下の5つのステップで進めています。

■ STEP 1:初診・専門医カウンセリング

まずは、肝臓病専門医があなたの現在の状態を詳しく伺います。

持参いただくとスムーズなもの

・直近の血液検査データ
・画像検査(腹部エコー、CT、MRI)の結果やレポート
・お薬手帳

ここでの目的

再生医療は魔法の治療ではありません。現在の肝臓の状態(線維化の進み具合や炎症の程度)を評価し、「再生医療によって改善が見込める段階かどうか」を正直にお伝えします。無理な勧誘は一切行わず、あくまで医学的な適応を最優先に判断します。

【肝臓病専門医のこだわり:難しい病変も見逃さない診断力】

肝臓の腫瘍や病変には、悪性腫瘍と見分けがつきにくいものも存在します。私は、神戸大学医学部附属病院に在籍中に、造影エコーやMRIを用いた緻密な画像診断により、診断が難しい病変を正確に鑑別した症例を数多く報告しています。この確かな診断力があるからこそ、お一人おひとりに最適な治療計画を立てることができるのです。(出典:Intern Med 2012; 51(7): 723-6

■ STEP 2:精密検査・最新デバイスによる適応評価

初診の内容に基づき、さらに踏み込んだ検査を行い、治療の「設計図」を作ります。

血液検査

肝予備能(アルブミン、総ビリルビン、コリンエステラーゼ、PT値など)や腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II)を測定し、隠れたリスクがないかを徹底的に調べます。

肝線維化の数値化

FIB-4インデックスや、必要に応じて肝硬度測定を行い、肝臓が今どれくらい「硬い」のかを可視化します。私は、臨床研究において、血液中の「NX-PIVKA-II」という指標を用いた、より負担の少ない肝臓の線維化予測モデルについても提唱してきました。(出典:Hepat Mon 2015; 15(2): e22978

Child-Pugh分類の算定

肝硬変のステージを正確に特定し、期待できる効果(腹水の軽減、黄疸や肝性脳症、倦怠感の改善など)を予測します。

■ STEP 3:治療計画の立案とインフォームド・コンセント

検査結果をもとに、あなただけの「オーダーメイド治療計画」を作成します。

具体的な内容

投与回数や投与間隔といったスケジュール、予想されるベネフィットとリスク、費用の提示を行います。

当院のこだわり

使用する細胞の培養には、安全性を極限まで高めた「XF培地(無血清培地)」を採用していることなど、技術的な優位性についても詳しくご説明します。

法的義務の履行

「再生医療等安全性確保法」に基づき、厚生労働省へ提出した治療計画に沿って正しく手続きを進めます。

■ STEP 4:お尻の脂肪組織の採取と幹細胞培養

治療方針に同意いただければ、いよいよ細胞の準備に入ります。

脂肪採取

局所麻酔下で、お尻からごく少量の脂肪組織を採取します(所要時間は約15分)。出血しないよう安全を期するため、血小板数やPT%値が低値であれば、事前に輸血を行います。お体への負担は極めて少なく、その日のうちにお帰りいただけます。

専門施設での培養

採取した脂肪組織は、すぐに厳格に管理された培養施設(CPC)へ運ばれ、幹細胞を抽出します。その後、約2カ月かけて、あなたの肝臓を修復するための幹細胞を増殖・活性化させます。

■ STEP 5:治療実施とアフターフォロー       

十分に増殖・活性化した生きのいい幹細胞を、上腕より点滴投与します。

投与当日

リラックスした状態で点滴を受けていただきます(所要時間は約90分)。入院の必要はなく、当日にお帰りいただけます。

継続的なモニタリング

幹細胞を点滴投与して終わりではありません。その後、毎月、診察を行い、定期的な検査も行います。ご遠方にお住まいの患者様は、お電話での問診を行います。体調の変化がないか伺うと同時に、他院での検査データを伺い、肝機能をしっかりと評価します。体調や検査データを見ながら、多くは2~3カ月間隔で幹細胞点滴投与を行っています(オーダーメイド治療のため、投与回数や投与間隔は、お一人おひとりのご希望に沿いますのでご安心ください)。

よくあるご質問

Q:遠方に住んでいますが、何度も通院が必要ですか?

A他院での肝機能の数値を含んだ血液検査データや腹部エコー検査などの画像データがございましたら、「検査・説明+脂肪採取」と「点滴投与」の2回の来院で完結するスケジュールを組むことが可能です。事前のご相談はオンライン(ビデオ通話)でも承っております。

Q:肝硬変ではないと言われましたが、それでも再生医療を受ける価値はありますか?

A はい。肝硬変に至る前の「慢性肝炎」や「脂肪肝(MASLD/MASH)」の段階で組織を修復しておくことは、将来の肝硬変・肝がんのリスクを下げるために極めて有効です。手遅れになる前に「フルリノベーション」を行うことをお勧めします。

Q:他の病院で「肝硬変ではないから大丈夫」と言われましたが、体調が優れません。それでも相談して良いでしょうか?

A もちろんです。肝臓の病気は、数値や一般的な診断だけでは捉えきれないケースが多々あります。私は過去に、肝硬変ではないものの「門脈肝静脈シャント」という稀な血管の異常により、深刻な脳症(ぼーっとする、ふらつく等)を引き起こしていた患者様を的確に診断し、治療に繋げた経験があります。こうした稀な病態を見逃さない精密な診断こそが、再生医療を安全・効果的に行うための第一歩です。「原因が分からないけれど肝臓が心配」という方にこそ、当院の専門外来を活用していただきたいと考えています。 (出典:Intern Med 2013; 52(5): 555-559

■肝臓病専門医からのメッセージ

再生医療は、患者様と医師が「理想の未来」を共有することから始まります。私たちは、あなたの肝臓の状態を客観的なデータで評価し、最適なタイミングと方法を提案する「ガイド」でありたいと考えています。不安なこと、費用のご相談、どんな小さなことでも構いません。まずはその一歩を、オンライン事前相談から始めてみませんか。

■まずはオンライン事前相談から始めましょう

当院では、オンライン事前相談を実施しています。現在の検査データをご提示いただければ、より具体的なお話が可能です。ウェブサイトより、お気軽にご予約ください。

もし、オンライン事前相談が難しいようでしたら、当院の診療時間内にお電話でお問い合わせいただいても構いません。院長の外来診療が落ち着きましたら、こちらから再度かけ直させていただきます。

この記事の監修・執筆者

さいとう内科クリニック
院長:斉藤 雅也 Masaya Saito

  • 日本内科学会認定医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本超音波医学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
院長 斉藤雅也 Masaya Saito

神戸大学医学部附属病院等の最前線で長年消化器・肝臓内科の臨床と研究に従事。医学博士。 標準治療では回復が困難な進行した肝炎や肝硬変に対し、新たな選択肢としての「肝臓再生医療」にいち早く取り組む。また、肝硬変患者さまの中で合併症(潜在性肝性脳症)を有する割合を明らかにし、カルニチンによる潜在性肝性脳症の治療効果を世界で初めて報告するなど、国際的な英文医学誌への論文掲載実績も多数(代表論文:Hepatol Res 2016; 46(2): 215-224)。科学的根拠に基づいた高度な専門知識と精緻な診断で、患者様の肝臓を守るサポートを行っています。
≫ 詳しい経歴や全研究実績はこちら

さいとう内科クリニック
院長
斉藤雅也 Masaya Saito
日本肝臓学会 肝臓病専門医 Hepatologist, The Japan Society of Hepatology
所在地
〒651-2412
兵庫県神戸市西区竜が岡1-15-3
(駐車場18台あり)
電話
  • 電話:078-967-0019
  • 携帯電話:080-7097-5109
アクセス
当院は、神戸市西区と明石市の境界付近に位置しており、明石市からも徒歩圏内です。実際に、明石市方面からも多くの患者様(肝臓病・一般内科)にご来院いただいております。駐車場も完備しておりますので、お車での通院も便利です。